みやビズ

2018年4月23日(月)
海外事情 定期便 ~ジェトロ宮崎より~

香港の食品市場の『今』と開拓のヒント

2017/06/21
20170620-1admin-image-1497947896.jpg

宮崎の本格焼酎

 香港で2年に1回開催される企業間取引(BtoB)の総合食品見本市「HOFEX(ホフェックス)」。今年は県内2社が出展し、5月6~9日に私も企業サポートのために香港へ渡った。

味噌、しょうゆなど定番の日本食を出展したヤマエ食品工業のブース

味噌、しょうゆなど定番の日本食を出展したヤマエ食品工業のブース

 香港で2年に1回開催される企業間取引(BtoB)の総合食品見本市「HOFEX(ホフェックス)」。今年は県内2社が出展し、5月6~9日に私も企業サポートのために香港へ渡った。

1日目 現地到着


 今回は自分の目で香港の市場を確かめ、ジェトロ香港事務所のコーディネーターと直接会って香港の“今”を聞きたかったので1日早く香港へ到着。空港乗り入れの電車「香港エアポートエクスプレス」で中心部のセントラル駅へ約25分。セントラル駅で地下鉄に乗り換えてワンチャイのホテルへ。ワンチャイ駅を出るといつもの香港の光景がそこにはあった。ゴミゴミした道路、高い湿度、大勢の人が行き交い、食べながら、たばこを吸いながら、話しながらゆっくりと歩く、何ともにぎやかな街である。

2日目 香港そごう、シティスーパー


 午前10時すぎにコーズウェイベイの百貨店「香港そごう」へ。開店間もない時間にもかかわらず大勢の客が入っており、食品売り場では行列ができているテナントもあり、その人気の高さに驚かされた。来店者の大半は現地の人たちのようで、日本人の姿はまばらにしか見当たらない。フルーツコーナーでは、日向夏ミカンと完熟マンゴー「太陽のタマゴ」を発見。日向夏ミカンは小さめのものが4個パックで約640円、太陽のタマゴは2L~3Lサイズ2個パックが約1万1400円で販売。5月初旬の価格としても、かなり高い感じがする。

 そごうを出てシティスーパーへ向かう。シティスーパーは、宮崎で言えばフーデリーのような感じで、品ぞろえやディスプレイに高級感がある。店内は多くの日本食が並び、生鮮食料品から加工食品、冷凍食品まで豊富な品ぞろえで、現地の来店者も表パッケージが日本語、裏は英語や中国語となっている説明書や成分表示を見ながら購入している。

 いずれの店舗も週末(土曜日)とはいえ非常ににぎわっており、購入意欲も高い感じだった。そごう、シティスーパー共に日本酒の品揃えは豊富だが焼酎は少なく、香港での焼酎の販売が難しいことをあらためて感じさせられた。

3、4日目 HOFEX 2017


 JAPANパビリオンは初日から大勢の来場者でにぎわった。日本からの出展とあって日本食に強い関心を持つ香港、中国(本土)をはじめ多くのアジア系の来場者が各ブースを回って試食や説明を求める姿が見られた。本県から出展したのは、新垣ミート(宮崎市)とヤマエ食品工業(都城市)の2社で、新垣ミートは綾町のブランドポーク「ぶどう豚」を紹介し、ヤマエ食品工業は新発売の「西郷どん味噌(みそ)」を紹介した。

新垣ミートが出展した綾町のブランドポーク「ぶどう豚」の試食などでにぎわうHOFEX

新垣ミートが出展した綾町のブランドポーク「ぶどう豚」の試食などでにぎわうHOFEX

 ぶどう豚は今回の日本から出展された唯一の生肉ということもあってか、初日から大勢の来客があり、持ち込んだロース肉が次々と試食されていた。来客者からは、「ぶどう豚とはどんな豚なのか」「日本では有名なのか」「香港に代理店はあるのか、価格はいくらなのか」などの質問が次々に出て、試食を提供しながらの対応は大変な様子だった。

 私自身も通訳したり肉を焼いたり写真を撮ったりと、休む間もなく対応に追われた。事前に香港行きを知らせておいた現地の日系商社数社もブースを訪れ、肉の試食と香港での市場性などについて情報交換をさせてもらった。

 ヤマエ食品工業は既に香港へ輸出をしており、現地で専売的に営業している企業が応援に駆け付けていた。味噌、しょうゆ、だしなどは日本食の定番中の定番であるため、来客者もじっくりと試食用に作った味噌汁を味わっていた。商談に来ていたレストラン関係者との会話に耳を傾けると、顧客の味に対する嗜好(しこう)もよりおいしいものへの期待が大きくなっており、安心・安全に加えて味覚も大きなポイントになってきているように思えた。

 私がHOFEX 2017に参加したのは2日間。その間50社以上の企業・個人と会話し、次の商談につなげられるよう努力した。しかし、香港市場は日本各地からの食品であふれ返っており、競合品を押しのけてマーケットに入っていくのはかなり厳しいだろう。ましてやひと昔前の感覚で「日本食は日本人向けに販売」といった感覚では絶対に成功しそうにない。ビジネスの成否は、現地の人たちにどれだけ受け入れられるかで決まる。安心・安全のコンセプトは維持しつつ、ローカルの人たちとコラボすることで“香港的日本食”を目指すのが成功へつながるものと確信した。

 香港の市場は日本食であふれているといっても、まだまだチャンスは残っている。ジェトロ香港事務所のコーディネーターの話では、豚・鶏肉などは香港近隣からの輸入が減る一方、日本からの輸入は増えているという。市場はまだ小さいが、成長性があると話していた。肉類の輸出にはいくつものハードルはあるが、越えられないハードルではない。他の企業が出る前に本県企業の進出をサポートしたい。

(ジェトロ宮崎貿易情報センター・アドバイザー 井上兼司)

アクセスランキング

ピックアップ