みやビズ

2018年4月23日(月)
海外事情 定期便 ~ジェトロ宮崎より~

多様化するベトナムへの進出形態

2017/04/19
 今年2月に県のミッションに参加し、ベトナムのハノイおよびその周辺を訪問する機会を得た。人口700万人を擁するハノイは、人とバイクと車がうごめきながら独特の活気を放つ大都市だ。一方で土地や人件費が高騰してきており、進出する外国企業も次第にハノイの周辺地域へと投資先を移行させる動きがみられる。また、その進出形態にも少しずつ変化が生じているようだ。
バイクが行き交うハノイ市内。人口700万人を擁し、独特の活気を放つ

バイクが行き交うハノイ市内。人口700万人を擁し、独特の活気を放つ

 今年2月に県のミッションに参加し、ベトナムのハノイおよびその周辺を訪問する機会を得た。人口700万人を擁するハノイは、人とバイクと車がうごめきながら独特の活気を放つ大都市だ。一方で土地や人件費が高騰してきており、進出する外国企業も次第にハノイの周辺地域へと投資先を移行させる動きがみられる。また、その進出形態にも少しずつ変化が生じているようだ。

 今回訪問したハナム省は、まさしくハノイ周辺地域を代表するエリアであろう。ハノイ中心部から南へ50キロ、車で1時間の場所に位置している。ベトナムにおける省別(全63省・中央直轄市)の外資誘致誘数でトップ10に入る同省には、ホンダや住友電装をはじめ現在60社の日系企業が進出しており、宮崎からもホンダロックが進出している。

 10年前には日本企業は1社も進出していなかったというから、ここ最近の進出ぶりは目覚ましいものがある。ちなみに県主催のミッションが同省を訪問したのを受け、今月12日には同州政府・企業関係者ら16人が、ここ宮崎を訪れて投資誘致活動を行ったばかりである。

 ハナム省で訪問した一つに「ドンバン3工業団地」がある。日本からの裾野産業誘致を目指して、ベトナム政府が日系企業の専用団地として開発中の工業団地である。336ヘクタールの広大な土地には既に3社の中小企業が進出を決めている。ハノイという巨大消費市場を控えた位置にあるのは当然のことながら、連絡橋が完成すればハイフォン港(90キロ)まで1時間強でモノを運べるという。

 裾野産業の場合、15年間は法人税率が10パーセントしか適用されず、しかも利益発生後4年間は免税で、続く9年間も50パーセント減税される等、その投資インセンティブも魅力的である。さらに人件費の安さや離職率の低さも外国企業を引きつけている。ハノイでは離職率が20〜25パーセントにも及ぶ中、ハナム省では2.5パーセントと、安心して人材育成ができる点も魅力の一つとなっているようだ。

 このようにハノイから周辺地域へと外国企業の進出エリアが移行してきているが、もう一つの大都市ホーチミンにおいても同様の状況がみられる。今回訪問する機会はなかったが、新たな投資先として注目されているのがバリアブンタウ省である。

 ホーチミン中心部から車で1時間、60キロという抜群のロケーションに加え、将来的に物流の中心を担うといわれる巨大なカイメップ・チーバイ港を有する。また、沖合の油田はアジアでも有数の埋蔵量を誇り、天然ガスを利用した発電所は7基を数える。これらのメリットを活用しながら、ホーチミン市場での需要を見越した日系企業も進出しているという。

ハナム省にあるドンバン3工業団地の管理事務所

ハナム省にあるドンバン3工業団地の管理事務所

 次に進出形態の多様化をみてみたい。特に工場の進出形態として、従来は自社工場を建設するのが一般的であったが、最近は「レンタル工場」も選択肢の一つとなってきている点が挙げられる。上述のハナム省のドンバン3工業団地においてもレンタル工場が設置され、使用面積は500から3000平方メートルまで柔軟に対応できるとのことで、まさしく中小企業にとっては進出のハードルが下がるといえよう。

 また、ホーチミンのビーバン・テクノパークは中小の日系企業専用のレンタル工場で、登記なしで工場を操業できる。総務や経理といったマネジメント機能はレンタル工場側が行うという。うまく活用することで、リスクやコストを抑えた進出も可能となろう。

 このように、最近の傾向として、ベトナムへの進出エリアが大都市周辺部に移行しているとともに、工場の進出形態についても変化してきているのが実情である。宮崎からベトナムへの進出は先述のホンダロックのみならず、最近では農畜産物系の企業が積極的な動きを見せている。

 先日来県したハナム省関係者らも「ハイテク農業に来てほしい」とコメントしていた。宮崎の産業特性や技術力を生かすという意味でもハイテク農業分野は一つの選択肢であり、今後のベトナム市場、さらには周辺の東南アジア市場を取り込んでいくような動きを期待したい。

 なお、ホーチミンおよびその周辺の状況については、ぜひ以下の動画をご覧いただきたい。
「ベトナムに新たな拠点を探す -ものづくり企業の海外進出-」(9分31秒)
https://www.jetro.go.jp/tv/internet/2017/03/2059c30105909a00.html
ジェトロウェブサイト テレビ番組「世界は今」(動画視聴無料)

(ジェトロ宮崎貿易情報センター・宮内安成)

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