みやビズ

2018年6月24日(日)
海外事情 定期便 ~ジェトロ宮崎より~

待ったなし!〜求められる米国食品安全強化法への対応〜

2017/03/15
 宮崎からの食料品・飲料の輸出の4割近くを占める米国で、食品安全に関する考え方が大きく変化したことを、ご存じだろうか。

 米国では2011年1月4日、食品安全強化法(Food Safety Modernization Act、以下FSMA)が制定され、具体的な内容を定めた詳細規則が順次公表されてきた。FSMAは、米国内に流通する輸入食品にも適用されるため、米国向けに輸出する宮崎の食品関連事業者も対応が必要となる。

製造業者は「予防管理」が喫緊の課題


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 FSMAは大きく三つの柱から構成されている(図)。FSMAの特徴の一つは、問題発生後の「事後対応」から、サプライチェーン全体で問題を未然に防ぐ「予防管理」を重視していることだ。米国では食品に起因する事故が多発している。その多くは未然に防げるものと考えられており、「予防管理」に重点を置いたFSMAの導入に至った。

 FSMAで特に日本の食品関連事業者に影響が大きいとされているのが、危害の未然予防管理を含む食品安全計画の策定等を定めた規則(第103条規則)だ。同規則の適用は、原則大企業に16年9月19日から始まっており、小企業も17年9月18日が適用期限となっている。その対応は待ったなしの状況のため、まだ危害の未然予防管理に取り組んでいない事業者は、適用期限までに食品安全計画を策定し、その順守のための体制を早急に整える必要がある。

輸入業者にも「安全検証」の義務


 加えて、第三者によるチェック体制の整備として、輸入業者が輸入食品の安全を検証する義務(第301条 Foreign Supplier Verification Program、以下FSVP)、災害など特定の状況が生じた場合に第三者監査機関の証明を義務付けること(第303条)といった事項がある。

 このFSVPでは、在米の輸入業者が非米国の食品製造業者および農場生産者の米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、以下FDA)関連規制の順守状況を検証する義務を負う。輸入食品が(1)食品安全計画の策定・実施義務、あるいは農産物の安全にかかる取扱基準を順守して製造・生産されたこと、(2)不良状態でないこと、(3)不当表示がなされていないことを輸入業者が確認しなければならない。輸入業者が、米国の水際でいわば門番のような役目を担うことになる。日本の食品供給業者は、このFSVPに基づいて輸入業者から書類の提出や内容の確認を求められる可能性があることを理解しておきたい。

米国FDAが査察でチェック


 さらに、日本の食品供給施設に大きく影響するのが、FDAによる査察だ。FDAは、FSMAによってその権限を大幅に強化された。バイオテロ法に基づく食品施設登録の更新制度を導入するとともに、自ら外国の食品施設への査察件数を増加させている。

 査察では、米国で消費される食品の製造施設が、製造等施設における衛生管理や従業員のトレーニングなど、現行適正製造規範をはじめとする関連のFDA関連規制を順守しているかの確認がなされ、対応ができていない場合には指摘がなされる。その指摘に対応していかない場合は、警告レターがウェブ上に公開されてしまう。FDAによる突然の査察通知に混乱しないよう、日頃の準備と体制整備が必要となる。

まずは知ることから


 ジェトロでは、FSMAに関するガイダンスやレポートを、随時ホームページで公開しているほか、食品メーカー各社の取り組みを取材した番組も、インターネットで視聴いただける。対応が遅きに失することがないよう、まずはFSMAに関する情報をしっかりと収集いただき、計画的にFSMAへの対応を進めていただきたい。

【ジェトロ・ホームページ】米国食品安全強化法(FSMA)に関する情報

【ジェトロ・ホームページ】「世界は今」待ったなし! 米国食品安全強化法 -予防対策の義務 中小企業にも-

(ジェトロ宮崎貿易情報センター・中山裕貴)

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