みやビズ

2018年8月16日(木)
上々企業

野上食品

2013/10/04

新工場稼働、食肉加工1.5倍増

 宮崎牛と言えば、「宮崎県内で育てられた全ての牛」と思われがちである。そうではない。宮崎牛は、宮崎県内で育てられた牛のうち、日本食肉格付協会の格付けにおいて、肉質等級A4ランク以上の牛肉のみが「宮崎牛」を称することができる。

野上食品本店前

野上食品本店前

 宮崎牛は、肉質が良いぶん価格も良い。都城市の野上食品(野上幸平社長)は、宮崎牛販売指定店で、宮崎牛の販売を行うほか、肥育農家と一緒になって、消費者が購入しやすい宮崎県内で生産される宮崎県産牛の拡販に努めている。

 消費者の好む赤身のうまい牛肉を生産するため、取引する肥育農家では長期肥育した雌牛に、特別配合した餌を与えている。

 当社は、仕入れ先の業者において、牛では約75頭/日の処理が行われ、当社のような食肉卸売業者には約10頭/日しか割り当てられないため、希望する肉質の仕入れが難しくなっている。そのため、生体をまるごと1頭購入して、消費者に提供するようにシフトし、安定した仕入れが確保出来るようになった。

食肉小売店の様子

食肉小売店の様子

脱骨作業の様子

脱骨作業の様子

親族が経営する焼き肉店

親族が経営する焼き肉店

 ただ、リスクもある。枝肉で購入する際は、肉質を確認してから購入することができるが、生体購入においては、肉質の細部までを確認することができないためである。
目利きの能力がものを言う。

 需要の増加に応じて当社では、平成24年10月に都城市山之口町に、998坪の土地に、289坪の工場を新設、1年が経過した。牛は約4.5トン/月、豚は約1.5トン/月の処理能力となり、売り上げを順調に伸ばしている。

 さらに、親族が経営する焼き肉店「やいちゃッ亭」は、都城市にて運営して人気を博していたが、平成25年夏には、宮崎市役所近くに宮崎店をオープン。当社からの仕入れを行っているのはもちろん、牛の「一頭買」を全面に押し出す。小林市野尻町にて生産され、都市部で人気の「山崎牛」も取り扱う。宮崎県内で山崎牛を食べられる店舗は少なく、連日たくさんの予約が入っているという。

 野上幸平社長は「新工場は、エアシャワーや空調などハード面の充実はもちろん、従業員教育にも注力しています。加工場脇に、小売店を設けたことで、消費者ニーズが敏感に感じ取れるようになりました。鮮度の良さからリピーターが多いのが特徴です。生体仕入れを積極的に今後も行い、消費者に還元していきたい」と話す。
 
 本社:宮崎県都城市山之口町花木2303
 設立:2006年8月
 資本金:300万円
 従業員数:15人
 TEL 0986(57)5306
 FAX 0986(57)5600
 食肉業界では後発業者に位置するが、積極的な営業展開から売り上げを順調に伸ばしている。社長は以前サラリーマンとして、食肉卸に従事していたものの、ある出会いが独立の手助けとなった。食肉卸売業者は、それぞれ得意部位の販売に注力している。サラリーマン時代に、得意部位以外の食肉を、同業者に販売。信頼関係の構築されていた営業マンたちが、その食肉を得意先に販売してもらい、仲卸での独立のヒントを得た。食肉に対する「こだわり」を持つ野上社長は、脱骨技術やカット技術の平準化に努める。今後は総菜や弁当などの製造も行っていくという。小売店や焼き肉店で、直接消費者ニーズを聞き取る熱心な姿に成長を確信した。
(帝国データバンク宮崎支店・小倉 祐一)

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