みやビズ

2018年6月19日(火)
上々企業

日向栄進産業(宮崎市)

2018/02/20
20180219-1admin_image_1519032403.jpg 2009年6月に創業した特殊カッター業をメインとする工事会社。アスファルトやコンクリート構造物の解体などを手掛けており、代表的な工事の一つは、宮崎市瓜生野、跡江の大淀川に架かっていた旧相生橋の解体だ。吉田社長は「橋もさまざまな構造がある。重量計算などを行ってから工法を模索し、最適な工法により撤去する。特殊な機械を使うほか、ワイヤでつり上げる作業が発生する。危険の伴う作業でもありますし、段取りよく工事を進めないと時間もかかる。緻密な計画や作業が必要な工事」と話す。

働き方改革、コスト削減から生まれたシステム


特許を取得している打設装置

特許を取得している打設装置

 2009年6月に創業した特殊カッター業をメインとする工事会社。アスファルトやコンクリート構造物の解体などを手掛けており、代表的な工事の一つは、宮崎市瓜生野、跡江の大淀川に架かっていた旧相生橋の解体だ。吉田社長は「橋もさまざまな構造がある。重量計算などを行ってから工法を模索し、最適な工法により撤去する。特殊な機械を使うほか、ワイヤでつり上げる作業が発生する。危険の伴う作業でもありますし、段取りよく工事を進めないと時間もかかる。緻密な計画や作業が必要な工事」と話す。

働き方改革から生まれた装置

 当社は構造物の解体などを手掛ける一方、コンクリート構造物と設備を固定するためのボルト、アンカーボルトの打設工事も手掛ける。コンクリート構造物にドリルで穴を開け、化学反応を利用した接着剤であるケミカルアンカーを穴に挿入。その後接着剤を攪拌(かくはん)し、ボルトなどを埋め込んで固定させる作業だ。

 平地での作業や陸地の壁面での作業においては特段支障が無いものの、当社は難度の高い港湾での作業も手掛けているのも特徴。干潮時に撤去したい構造物に穴を開ける作業を行っていても、満潮になるとアンカーの挿入や固定作業が進まない。天候によっても左右されることから、計画以上の日数がかかる工事が大半だ。工務担当者のコスト増にもつながっていたほか、手がすいていても作業ができない状況が発生するなど無駄も積み重なっていた。
 
 また、吉田社長は、長時間労働の見直しといった働き方改革に取り組む必要性を感じていたことや、今後懸念される工務担当者の人手不足などを考えれば、作業を効率化、短縮化する必要性を感じていた。そこで、開発されたのが「ケミカルアンカボルト打設装置」。複数の作業工程が短縮され、10日間かかっていた工事が4日間に短縮されるなど、工期の前倒しにもつながっている特許技術だ。

コスト削減の取り組みから生まれたシステム

水と固形物を分離(左)脱水後の固形物

水と固形物を分離(左)脱水後の固形物

 アスファルトやコンクリートを切断すると、粉塵(じん)が飛散する。極力抑制するには切断しながら水をかける。粉塵と混ざった水は汚水として扱われるため、産業廃棄物として処理される。もちろん廃棄のコストが発生するため、企業は負担を強いられる。これに対し吉田社長は「この汚水を一般排水として廃棄可能な水と粉塵をまとめた固形物に分離することはできないか」と着目。宮崎大工学部との共同開発により「ひむか式固液分離汚水処理システム」を確立させ、県の新技術・新工法に登録されている。

 また、このシステムをさまざまな場所でデモンストレーションしていたところ、「豚糞(ふん)などの処理に活用することはできないか」と相談を受けた。試しに豚糞と尿が混ざっている廃棄物に同システムに一工夫して処理したところ、排水も通常排水できる上、固形物には臭いも残っていないことが分かった。このシステムは「養豚糞尿混合排水処理方法及び循環型養豚糞尿混合排水処理システム」として特許を取得しており、これまで発生していた廃棄コストが激減する。

考えの根底にはひとつの遊び心

 吉田社長は「今までこうだったから、こうしないといけないから、という話をよく聞く。理由を聞いてみてもよくわからない場合がほとんど。それなら、どうにかしてできる方法を考えてみる、とりあえずいろいろやってみるというのが私のスタンス。これからもそのスタンスは変わらないので、今後も弊社が発表するシステムに期待してください」と笑う。


会社概要
商 号:有限会社日向栄進産業
設 立:2009年6月
本 社:宮崎市田代町111
電 話:0985(71)3145
URL:http://himukaeishin.jp/
 ここでは紹介しきれなかったが、他にも特許を出願しているシステムや次の構想なども多数持っている吉田社長。話すときの笑顔はとてもすてきで、聞き手としても引き込まれるような感覚だった。この表情と意欲がさまざまな人を巻き込んで、具現化していくエネルギー源なのだと感じた。今後の当社の活躍に期待したい。

(帝国データバンク宮崎支店・宮本 幸一)

アクセスランキング

ピックアップ