みやビズ

2018年10月20日(土)
上々企業

クリップウェア(宮崎市清武町)

2018/01/16
 未知の領域で製品を開発し、それが業界の定番と呼ばれるようになるまでの企業努力は大変なものだ。先日、小説がテレビドラマ化されて話題となった「陸王」の舞台となった企業のように、良い製品を発信したいと意気込む企業が宮崎にもある。

オリンピックで使われる商品を目指して


試作段階にあるユニホームのゼッケンを留めるクリップ

試作段階にあるユニホームのゼッケンを留めるクリップ

 未知の領域で製品を開発し、それが業界の定番と呼ばれるようになるまでの企業努力は大変なものだ。先日、小説がテレビドラマ化されて話題となった「陸王」の舞台となった企業のように、良い製品を発信したいと意気込む企業が宮崎にもある。

 クリップウェア(宮崎市清武町、小田島潔社長)が製造販売している「開かずピンちゃん」は、服に穴を開けないでも名札を留められるクリップ。今では業界での定番となっている名札用留め具だが、発売当初は問屋に「売れるはずがない」と全く相手にしてもらえなかった。それでも名札を使う小学生の母親(ユーザー)たちから圧倒的な支持を得ていたため、「このクリップを市場に浸透させたい」という小田島社長の気持ちは折れなかった。

 問屋を通さず、直接商品を置いてもらおうと、小売店を1軒ずつ訪ねて地道に販路を開拓。そのためユーザーのニーズが小売店経由で問屋に伝わるまで、長い時間がかかった。そんな紆余(うよ)曲折があって、開かずピンちゃんは業界での地位を確立。今では類似品も多数出ているが、改良を重ねて商品は成熟期を迎えている。しかし、一度の成功で小田島社長は満足していなかった。

宮崎市清武町にある「クリップウェア」の外観

宮崎市清武町にある「クリップウェア」の外観

 確かに国内の一分野で地位を確立したが、「世界のスタンダードとなる商品を作る」との夢をかなえたわけではない。開かずピンちゃんの技術やアイデアをもっと生かしたいと考え、今は競技会などで着るユニホームのゼッケンを留めるクリップを開発中だ。試作品を作っている段階で、安全ピンの代替品として定着させ、将来は陸上や体操の競技会、オリンピックでの採用を目指す。
 
 夢をかなえるために時間と努力は惜しまない。開かずピンちゃんの時もそうだったが、「できることは全てやる。必ず達成できる」という信念を常に持って開発に取り組んでいる。小田島社長は「宮崎発の企業として、世界で通用する製品を生み出したい」と語る。

 可能性を信じて継続することで道は開けてくる。小田島社長は「陸王」のランニングシューズを自社の製品と重ね合わせつつ、同じ県内のものづくり企業にも思いをはせる。「開発に携わっている人たちには、日の目をなかなか見られなくても諦めず、熱い思いや信念で開発を持ち続けて頑張ってもらいたい」

【会社概要】
クリップウェア株式会社
設 立:2006年8月
本 社:宮崎市清武町加納4の42
資本金:800万円
電 話:0985(85)3252
URL:http://www.clipware.co.jp/
 「開かずピンちゃん」で知名度を上げた小田島社長は、現在開発中のゼッケン留めがオリンピックで使われるという夢を持ち続けている。設立当初から夢を持ち続け、諦めない姿勢は、多くの中小企業の経営者にとって見習う点が多い。
(帝国データバンク宮崎支店・甲斐琢磨)
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