みやビズ

2018年7月16日(月)
上々企業

錦屋商事(延岡市)

2017/12/19
 錦屋商事(延岡市、那須英文社長)は1965(昭和40)年に創業し、50年以上の実績を持つ食品卸売業者である。近年は「地産地域ギフト」において着実に実績を重ね、2017年8月期決算の売上高が約10億円(税別)と着実に事業を拡大している。

宮崎県産品を全国に橋渡し


延岡市中町にある「錦屋商事」の本社

延岡市中町にある「錦屋商事」の本社

 錦屋商事(延岡市、那須英文社長)は1965(昭和40)年に創業し、50年以上の実績を持つ食品卸売業者である。近年は「地産地域ギフト」において着実に実績を重ね、2017年8月期決算の売上高が約10億円(税別)と着実に事業を拡大している。

 創業当初はシイタケや干物などの販売を中心に行っていたが、全国展開する大手小売店との口座が開設されたのを機に、九州一円の店舗に対して宮崎県産の土産品などを販売するようになり、売上高が大きく伸びた。

 大手小売店との口座は新たに開設することが厳しい。特に口座を持たない宮崎県内の業者は錦屋商事を経由して販売する。そのため、同社ではどのような商品が県外で売れるのかなど、商品に対する目利き能力が格段に向上した。

 近年、爆発的に成長している電子商取引(EC)市場は日本国内でも10兆円以上に成長している。スマートフォンの浸透に従って、インターネットでの買い物に対するハードルは低くなっている。

 年商の過半数を占める「地産地域ギフト」は、Amazonや楽天、Yahoo!などでの販売が中心となっている。九州出身の県外居住者は、地元で慣れ親しんだしょうゆやみそ、調味料などを近隣のスーパーマーケットなどで購入することはできない。

 スーパーマーケット等では棚に制限があるため、売れ筋商品を陳列することが主流となっており、消費者ニーズにあった商品をすべて陳列することは難しい。ただ、インターネットなら話は別。慣れ親しんだ味を自宅に届けてもらえる。先見性のある那須社長は早くからAmazonと取引を開始。14年に500万円しかなかったAmazonでの売上高は、17年には1億円を超えるまでに成長した。

 少子高齢化が進み、スーパーマーケットの売上高は年々減少傾向にある。そのため「地域のメーカーは厳しい局面にある。地域のブランドを守っていきたい」と那須社長。大手小売店との取引で築いたネットワークやノウハウを生かし、長年続いてきた地域ブランドの火を消さない努力を続け、Win-Winの関係を構築することに腐心している。

 大阪府にAmazon用のハブデポセンターを設置することで、物流コスト削減も図れるようになった。17年には福岡県古賀市に拠点を設け、九州内はもちろん、九州外の地域ブランド販売も増えてきている。

 那須社長は「大都市への人口集中は避けられない。インターネットを通じた販売はさらに増えてくるだろう。地域の製造業者はリレーションシップの担い手として当社に連絡して参画してほしい」と話す。

 将来的にはインドネシアやタイなど海外進出も視野に入れている。世の中に必要とされる企業としてさらなる成長が期待される。

株式会社錦屋商事
設 立:1979(昭和54)年1月
資本金:1500万円
本 社:宮崎県延岡市中町2の2の1
TEL:0982(32)4103
FAX:0982(22)0767
 インターネット上で商品を売るには、さまざまな工夫が必要。錦屋商事は宮崎県を中心に九州内の特産品を全国に届ける役割を果たしつつ、時流にも乗って着実に実績を伸ばしてきた。食を通じて世の中で通じ合うこと、評価されることを目標にしており、将来は明るい。
(帝国データバンク宮崎支店・小倉祐一)

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