みやビズ

2019年10月14日(月)
上々企業

WASHハウス株式会社(宮崎市)

2016/11/01

「上々企業」から「上場企業」へ

 帝国データバンクの調査員が独自の視点でキラリと光る企業を紹介するこのコーナー「上々企業」から、「上場企業」が誕生する。ここ数年、破竹の勢いで急成長し、メディアからは「国内最大級のコインランドリーチェーン」と紹介されるまでになったWASHハウス株式会社(児玉康孝社長)。11月22日に東証マザーズと福証Qボードに上場する予定だ。上場を前にこれまでの成長を振り返りつつ、上場後の事業戦略を分析する。


■この5年間で店舗数は3倍、売上高は6倍に
おなじみの店舗が海外に広がる日は近い

おなじみの店舗が海外に広がる日は近い

 「国内最大級」のWASHハウスも実は設立当初、別の事業を展開していた。しかしこれから少子高齢化や人口減少が加速する時代に、今後永続的に売り上げを伸ばしていける事業は何か? 先行事業者はいるか? 勝てるか? という視点で事業を選択した結果、大手企業が全く手を付けていないコインランドリーという分野で、「継続的に収益を創出できる新しいビジネスの仕組みを立案構築する」という戦略を描いた。

 コインランドリーはユニークなビジネス。硬貨を入れて初めて機械が働くため、在庫やロスが発生しない。店舗運営は経営者個人の能力に左右されず、人件費を最低限に抑えられる。一方、当時は店舗の多くが個人経営で「汚い」「暗い」が当たり前。経営者側に衛生面やサービス面の意識が欠けていた上、機械の故障や硬貨詰まりが起こると、客が泣き寝入りしていた。そこで「無人店舗でも店員がいるようにお客さまに対応する仕組み」を基本理念として、監視カメラと遠隔操作システムを組み合わせる革新的なモデルを作り上げ、旧態依然としたコインランドリーのイメージを打破した。

 時代の変化も後押しした。花粉症やPM2.5の健康被害が増え、日本人の2人に1人が何らかのアレルギーを持つ時代、アトピー性皮膚炎などのアレルギー患者数は増加傾向にある上、住宅の高機密化も影響して新品の布団でも1カ月で約30万匹のダニが繁殖するといわれる。布団をベランダに干せないマンションの住人や、時間を効率的に使いたいという夫婦共働きの世代にも、布団や大量の衣類がまとめて洗える当社のコインランドリーが受け入れられた。

 今回の上場に合わせて公表した今年12月期の業績予想は、売上高が前期比49パーセント増、店舗数は前期末比38パーセント増を見込んだ。この5年間で店舗数は3倍、売上高は6倍となる計算。この急成長は必然だったと言える。

■海外初の店舗をニューヨークに
 昨年4月に大阪支店、10月に東京支店を開設して商圏を拡大し、今年7月には東京都内に駐車場のない都市型店舗を開店した。8月にはブランドキャラクターにタレントの橋本マナミを起用する発表会を都内で開催し、その後は在京テレビメディアから取材オファーが相次いでいる。

 上場リリースの資料には、今回調達した資金を首都圏直営店の出店資金や人員増強資金、将来的な情報システム投資資金に充てる予定としているが、それ以外に海外進出の計画が進んでいる。

 特に約3万店舗のコインランドリーが営業しているアメリカでは、約700万世帯が毎週利用するとされ、市場規模は日本の5倍以上とみられる。しかも、アメリカの店舗もかつての日本のような問題点を抱えている。「ジャパンクオリティ」のきめ細かなサービスを投入できれば勝機があると分析しており、早ければ来年、ニューヨークに海外初店舗を出店する計画である。

会 社:WASHハウス株式会社
住 所:宮崎市新栄町86-1
電 話:0985(24)0000
http://www.wash-house.jp/
 洗濯をしない国はない。今後は新興国でもアレルギー患者数は増加していく。コインランドリーは言語や商習慣などの制約がなく、事業の拡張性が極めて高い。宮崎発のサービスが「グローバルブランド」となる日が少しずつ近づいている。
(帝国データバンク宮崎支店・忠平匡胤)

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