みやビズ

2019年11月21日(木)
上々企業

宮﨑技研(宮崎市)

2014/08/29

台湾進出企業のサポート支援サービス


 東アジアでは経済発展により食品市場が拡大しており、日本の農水産物や加工食品はおいしさや品質、安心感から人気が高い。宮崎県は東アジアの市場開拓を目指して県産品の販路拡大を図っている。食品加工会社などの民間企業でも国内市場が飽和する中、新たな販路、ビジネスチャンスを求めた海外進出の動きが活発化している。そのような中、自ら手掛けようとした海外ビジネスでの失敗を転機として、海外事業支援サービスへの参入を図っているのが宮﨑技研(宮崎市、石井誠一社長)だ。

本社の海外事業支援サービス責任者の永田博道さん(左)と台湾支店の笹子秀憲さん

本社の海外事業支援サービス責任者の永田博道さん(左)と台湾支店の笹子秀憲さん

 1975(昭和50)年に健康食品の販売会社として設立され、89年より現在の主力事業である展示会販売の販売支援サービスを開始。呉服、衣料品、寝装品などいわゆる繊維業界の中で、貴金属の卸売りで実績を重ねている。

 石井社長の下、営業力と風通しの良い組織づくりにより、ベテランから若手までが一体となって事業展開を図っている。2010年には広島支店の開設。販路を関西圏まで広げており、今後は関東、東北方面への販路拡大を目指している。

 また、少子高齢化による国内市場の縮小が予想される中、さらなる成長を目指し、第2の事業として海外への進出を図り、12年9月に台湾支店を開設している。

 当初、海外事業では台湾より雑貨商品を輸入して日本国内に販売する計画だったが、仕入れ商品のパテント問題から事業は頓挫し、損失発生を余儀なくされている。

 ただ、その過程で宮崎県産品の台湾への輸出を希望する企業が多いものの、言葉や商慣習、輸出入業務の煩雑さなどが参入壁となって事業が思うように進まず、断念するケースが他にもあることに気付いた。そこで台湾進出を目指す地元企業を手伝うことで「宮崎」ブランドの構築を進めるべく方向転換を図り、輸出入業務の一貫した支援サービスを手掛けるに至っている。

台湾のスーパーなどで販売されている本県産のシイタケ(写真左)と台湾のスーパーで販売されている日向夏ミカン(同右)

台湾のスーパーなどで販売されている本県産のシイタケ(写真左)と台湾のスーパーで販売されている日向夏ミカン(同右)

 台湾、香港など海外への進出や輸出希望の企業は増えており、現地で商談会やフードフェアなども数多く開催されている。ただ、参加企業は現地企業と名刺交換は数多く行っていても、それより先の商談になかなか進めず、成約に至らないケースがほとんどだ。

 宮﨑技研では台湾支店に社員2人を配置。台湾で開催される商談会の通訳、翻訳、商談会後の営業フォロー、輸出入の際の煩雑な貿易業務の代行、個別アテンドサービスなどを現地で行っている。

 現地スーパーのバイヤーなどとの人脈も有しているが、同社は単なる商品の売り込みを行うのではなく、あくまでも台湾進出企業の裏方として一緒に宮崎県産品の販売、他の日本産品との差別化、定番化に向け活動を行っている。

 最大の強みは現地社員2人が台湾生まれの日本人と、日本語の堪能な台湾人であること。台湾の言葉や習慣、好みなどを熟知したスタッフがビジネスマッチング、現地の商慣習に応じた営業フォロー、輸出入業務のサポートを行っている。

 これまでにも台湾で開催された商談会での通訳、翻訳業務、営業支援などを行い、宮崎県内の加工業者数社と提携して県産農産物の輸出業務を継続的に行っている。

 今後は商談会で実績を重ねながら台湾と取引を行う企業を増やし、現地での「宮崎物産展」開催も視野に入れている。

 石井社長は「台湾では『北海道』『青森』『沖縄』はすでにブランドが確立されており、その地名がつくだけで商品が飛ぶように売れている。宮崎の加工食品や農産物の輸出、台湾へ進出を希望する企業の支援を通じて、『宮崎』のブランド化や地域活性化に貢献していきたい」と話している。

 
設立:1981(昭和56)年4月
資本金:1000万円
本社:宮崎市小松2906-1
TEL:0985(47)1177
http://www.miyazakigiken.co.jp/
 本業のジュエリー卸売り、展示販売支援業務は県外での活動がほとんどだが、西日本エリアの繊維業界において同社の営業力、実績は知られている。新規事業の海外事業支援サービスへの参入は、本業がしっかりしているから。また、石井社長の地元宮崎に貢献していきたいとの強い思いも、海外支援事業への参入、推進を後押ししている。 
 台湾での商談会などでは通訳、営業支援で実績をあげ、口コミや紹介で依頼も増えている。宮崎にとって身近な海外である台湾にはビジネスチャンスも多くあり、進出企業をサポートすることで同社サービスも新たな事業の柱へと成長していくだろう。
(帝国データバンク宮崎支店・飛田敬史)

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