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上々企業

特別企画/宮崎県内の「太陽光発電システム販売・施工」の経営実態調査

2014/08/01

7割増収、黒字も8割


社数上位10都道府県
 東日本大震災後のエネルギー問題を背景に、市場拡大が急速に進む太陽光発電システム業界。2012年7月に政府が導入した再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」によって、その流れがさらに強まる一方で、ここにきて、設備認定施設の未稼働問題など制度面のひずみも目立つ。

 帝国データバンクは、自社データベースである信用調査報告書ファイル「CCR」(160万社収録、14年6月末時点)などをもとに抽出した「太陽光発電システム販売・施工」を手がける5665社(主業、従業を問わず)について、売上状況および損益状況、年商規模・従業員数別、都道府県別に集計・分析し、かつその結果から、宮崎県内の企業98社について分析した。同様の調査は今回が初めて。
 

1.都道府県別

都道府県別 九州
 5665社を都道府県別に見ると、東京都が611社(構成比10.8%)でトップ。以下、2位大阪府(464社、8.2%)、3位愛知県(354社、6.2%)、4位福岡県(318社、5.6%)、5位埼玉県(251社、4.4%)の順となっている。
 トップの東京都でも1割強にとどまるなど、特定の地域に偏ることなく、北は北海道から南は沖縄に至るまで47都道府県に存在していることが分かる。
 

2.売上状況

 宮崎県内の98社のうち、11~13年度において、それぞれ2期連続で年売上高が判明した企業を集計したところ、13年度は「増収」が66.7%(38社)で、震災後の直近3年間で最高を記録した。なお、13年度には14年3月期決算の企業も含まれるが、調査時点で14年3月期決算が判明していない、あるいは13年度決算が1期目の決算となる新設企業は比較不能であるため、対象から外した。最終的に13年度の増収企業の比率がさらに高まる可能性もある。

 増収企業比率の推移を見ても、11年度(51.2%)、12年度(65.2%)、13年度(66.7%)となっており、12年7月に政府が導入した再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」等による市場拡大を受けて、年々増加基調を強めていることが分かる。
 

3.損益状況

 98社のうち当期純損益が判明した企業を集計したところ、13年度は「黒字」が79.1%(34社)にのぼり、売上状況とともに震災後の直近3年間で最高を記録した。
 黒字企業比率の推移を見ると、11年度(78.2%)、12年度(76.7%)、13年度(79.1%)と増減しながらも比率自体は高まっており、損益面においても、市場拡大や制度面での優遇措置等の恩恵を大きく受けている現状が表れている。
 

4.年商規模・従業員数別 

 98社を年商規模別に見ると、「1億円以上10億円未満」(47社、48.0%)が全体の過半数を占めた。「1億円未満」(27社、27.6%)や「未詳」(2社、2.0%)などと合わせると、年商10億円に満たない企業が全体の77.6%(76社)を占めている。

 従業員数別に見ると、トップは「10人未満」で全体の57.1%(56社)を占めた。次いで「10~20人未満」(17社、17.3%)、「20~50人未満」(14社、14.3%)が続いている。この結果、年商規模別と合わせて見ると、市場におけるメーンプレーヤーの多くは中小企業であることが分かった。
 

5.まとめ 

 今回の調査結果を見ても、多くの企業が急速な市場拡大の恩恵を大きく受けている現状がはっきりと表れている。市場拡大を後押ししたのが、12年7月に政府が導入した再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」。諸外国と比べても太陽光の買取価格を割高に設定したため、太陽光発電設備を導入する企業や個人が急増するなど市場全体が広がりを見せる中、新たなビジネスチャンスを目指して、多数の企業が太陽光発電システム販売・施工の分野に参入した。

 しかし、ここにきて制度面のひずみも目立つようになってきた。具体的には、高値での買い取りに伴う家庭や企業における電気料金の負担増、設備認定を受けた施設の未稼働問題や水面下での権利転売の動き、詐欺的手法の舞台装置として暗躍する企業や個人の動きなどだ。こうした現状を受け、政府は今後、本格的な制度改革に乗り出すことが予想される。このため、これまで急速に拡大してきた太陽光発電システム市場も早晩ピークアウトを迎える可能性が高く、急成長から一転して淘汰(とうた)の動きにシフトするおそれも十分ある。

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