みやビズ

2019年7月21日(日)
上々企業

アールエフファクトリー

2014/07/18

6次産業化事業へ参入

 洋菓子小売店であるアールエフファクトリー(宮崎市、野元宏二社長)は、「スイートアリス」の屋号で複数の店舗を展開。関連会社として「チーズまんじゅうの元祖」と知名度の高い「風月堂」を運営している。これまでに全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞するなど本県トップクラスの菓子店である。

アールエフファクトリーが「スイートアリス」の屋号で展開している洋菓子店

アールエフファクトリーが「スイートアリス」の屋号で展開している洋菓子店

 そのアールエフファクトリーが、新会社「APP」を2014年6月に設立。ピューレやゼリー、スムージーなどの製造工場を小林市に建設し、6次産業化事業に新規参入することとなった。

 本県は農畜産物の出荷額が約3000億円で全国6位だが、加工部門の販売額は約2600億円で全国31位にとどまっている。これは「地元」で生産した農産物を加工する工場が「地元」に少なく、県外の工場で加工していることが理由である。

 アールエフファクトリーにおいても、果実加工技術やノウハウは有するものの、ケーキやお菓子の原料果実は県外で加工されたものを利用している。また、生産農家は域内に加工場が少ないため、農産物に付加価値を付けて販売したい意向と反して規格外農産物は価格を下げて市場に出さなくてはならない。農家にとって「APP」の加工場ができることにより、規格外品の安定出荷体制が構築される。さらに所得向上や、ブランド価値維持といったメリットを享受できる。

 農産品はマンゴー、日向夏ミカン、キンカン、トマト、ニンジン、イチゴなどを有効活用していく。

 野元社長は「国内ピューレは9割が外国産原料である。安心安全な本県産の需要が高いのは、催事販売などで直接声を聞いて分かっている。宮崎マンゴーは全国的に有名となったが、県内にマンゴーピューレ加工場がない。加工場設置によって、農家の所得向上や雇用創造などにも貢献できる。農家の高齢化、後継者不足の解消につながるのでは」と自社だけでなく農家のことも思いやる。

30代の若い感性を生かし、活躍する野元社長

30代の若い感性を生かし、活躍する野元社長

 原料調達は県内に限定し、加工を行う。輸送費などのコストが大幅に抑えられ、外国産原料と比較しても遜色ない価格を実現できることに加え、鮮度の保たれた「高品質」商材提供がセールスポイントとなる。

 また、全てを冷凍保存できるため、品質管理が容易で、県外への販売も見込める。年間売上高は1億円を計画している。

 将来的には過剰生産となっている農産物の研究をすすめ、全国、海外への販売展開も見据える。生産農家の「顔」が見える農産物を消費者に届けたいとの思いを、産官学が協調し推進する計画である。

 地域資源である農産物を「地元」で加工できることは、アールエフファクトリーだけでなく、農家や県内企業の浮揚、雇用などさまざまな波及効果が見込める。同社のような取り組みが県内各地に広がり、加工食料品の製造出荷量が増えることで、本県が素材提供型の産業構造から抜け出すことができるであろう。

 
設立:2006年6月
資本金:300万円
本社:宮崎市谷川3-170-1
TEL:0985(59)3880
http://rf-factory.jp/
 宮崎マンゴーは全国的に有名となった。マンゴー規格外品の安定加工が、本県の主産業である農業を下支えできるだろう。その他の農産品についても同様だ。環太平洋連携協定(TPP)締結が計画されている現状下にあって、付加価値の高い商材開発にビジネスチャンスが眠っている。野元社長は30代の若い感性を生かし、積極的な展開を続け、向上心をみなぎらせており、さらなる伸展が期待できる。
(帝国データバンク宮崎支店・小倉祐一)

アクセスランキング

ピックアップ