みやビズ

2018年5月21日(月)
お勧めビジネス書&最新ランキング

黒木裕孝さん(県工業会 専務理事) 五木寛之著「林住期」(幻冬舎文庫)

2017/01/25
自分の人生をどう生かすか 旭化成に技術者として入社したのは大学院を修了した1981(昭和56)年。繊維事業畑をずっと歩み、延岡市で暮らしてきた。50歳で初めて転勤(滋賀県守山市)と単身赴任を経験。最初は戸惑ったが、やがて関西での生活にも慣れた。「いつになったら延岡へ戻れるのか」と将来について思案していた53歳のとき、この本と出会った。

自分の人生をどう生かすか


くろぎ・ひろたか 1956(昭和31)年、延岡市生まれ。延岡西高-九州大工学部を経て同大学大学院修了。旭化成入社後は繊維事業畑を歩み、エルタス工場長などを務めた。2014年6月から現職。

くろぎ・ひろたか 1956(昭和31)年、延岡市生まれ。延岡西高-九州大工学部を経て同大学大学院修了。旭化成入社後は繊維事業畑を歩み、エルタス工場長などを務めた。2014年6月から現職。

林住期

著 者:五木寛之
出版社:幻冬舎文庫

e-honで購入

ご注文は「りーぶる金海堂」で

 旭化成に技術者として入社したのは大学院を修了した1981(昭和56)年。繊維事業畑をずっと歩み、延岡市で暮らしてきた。50歳で初めて転勤(滋賀県守山市)と単身赴任を経験。最初は戸惑ったが、やがて関西での生活にも慣れた。「いつになったら延岡へ戻れるのか」と将来について思案していた53歳のとき、この本と出会った。

 古代インドでは、人生を四つの時期に分ける「四住期(しじゅうき)」という考え方があった。一つの期間は25年。心身を鍛え、学習し、体験を積む25歳までの青少年時代が「学生期(がくしょうき)」。就職し、結婚し、家庭をつくり、子を育てる社会人時代が「家住期(かじゅうき)」。そして50歳から75歳までの「林住期(りんじゅうき)」と、75歳からの「遊行期(ゆぎょうき)」だ。

 著者はこの林住期こそ「人生のピークである」と説く。「前半の50年は、世のため人のため(家族のため)に働いた。後半こそ人間が真に人間らしく、自らの生きがいを求めて生きる季節なのではないか」。

 この一文に共感して考えたのは、「これからは自分の功績より、会社に『人』を残そう」ということだ。以来、職場では若手社員と対話する機会を増やし、自分の経験を伝えることにエネルギーを注いだ。ややもするとノルマをこなすだけで満足しがちな交代制勤務の職場では、改善や工夫の大切さを説いた。

 本を読む習慣が付いたのは社会人になってから。特定の作家にこだわらず、エッセーや自己啓発本、自叙伝など幅広いジャンルの本に目を通す。ただし小説(フィクション)は一切読まない。本質的に本に何かを求めているからだろう。印象的な言葉やメッセージに出合うと、手帳にかき出したり、その箇所にアンダーラインを引いたりしている。

 県工業会の専務理事になって、間もなく丸3年。これからも会員にメリットのある企画を提案するなど、少しでも「利他」の精神を発揮したい。古里の延岡市は、社会人が児童・生徒に働くことの意義などを説くキャリア教育が盛ん。将来はその方面にも携わりたいと思っている。

アクセスランキング

ピックアップ