みやビズ

2019年4月19日(金)
東京発 経済人

宮崎県在京経営者会議会長 高山弘憲さん

2012/01/04

強い愛郷心で首都圏から貢献



 首都圏に住む本県出身の会社役員や管理職、文化人らでつくる宮崎県在京経営者会議。ふるさとへの貢献を目的に1999年にスタートし、本県の物産・観光振興や若者の就職支援など活発に活動を展開している。発足当初から現在に至るまで会長を務めているのが日南市出身の高山弘憲さん。警備業を中心としたジャパン・プロテクショングループの創業者として豊富な人脈を培ってきた。日本経済の中心地とふるさと宮崎のパイプ役を果たす高山さんに近況や今後の展望を聞いた。
(聞き手・東京支社報道部長 見山輝朗)

「ふるさとの発展へ向けて首都圏から貢献し、会員同士の絆もさらに深めていきたい」と意欲を示す宮崎県在京経営者会議の高山弘憲会長=東京都千代田区のジャパン・プロテクション本社

「ふるさとの発展へ向けて首都圏から貢献し、会員同士の絆もさらに深めていきたい」と意欲を示す宮崎県在京経営者会議の高山弘憲会長=東京都千代田区のジャパン・プロテクション本社

■7部会で物産、観光、就職を支援

 -宮崎県在京経営者会議を設立した経緯は。

 高山 東京には、在京宮崎県人会をはじめ、地域や出身高校別などさまざまな郷里の集まりがあるが、一方で、首都圏で活躍する宮崎出身の起業家や経営者の方々はことのほか愛郷心が強く、宮崎のために何か貢献したいという皆さんの思いが高まり、25人の発起人を含め、120人のメンバーで99年10月にスタートした。その翌年には、私たちの動きに呼応して、雲海酒造の社長だった中島勝美さん(故人)を会長に宮崎県内の経営者の方々による宮崎産業活性化協会が発足(現会長は羽田正治JA宮崎経済連会長)。相互に交流を重ねている。

 -経営者会議の現状は。

 高山 現在の会員数は約180人。物産振興部会、求人求職相談部会、観光ビジネス部会、知産部会、法律相談部会、広報部会、IT推進部会を設置して、それぞれが役割を分担して活動している。

 -物産振興部会は具体的にどのような活動を行っているか。

10回目の節目となった「宮崎の本格焼酎と郷土料理を楽しむ会」。首都圏の企業関係者らが毎年楽しみにしているイベントで、宮崎ファンを増やす場として定着している=2011年9月5日、東京都千代田区のグランドアーク半蔵門

10回目の節目となった「宮崎の本格焼酎と郷土料理を楽しむ会」。首都圏の企業関係者らが毎年楽しみにしているイベントで、宮崎ファンを増やす場として定着している=2011年9月5日、東京都千代田区のグランドアーク半蔵門

 高山 首都圏における宮崎の物産品の販路拡大に努めている。「宮崎の本格焼酎と郷土料理を楽しむ会」を宮崎産業活性化協会、県酒造組合、JA宮崎経済連などの協力で毎年開催。500人近い参加者のうち、宮崎県以外の出身者が7割を超え、農畜産物や本格焼酎をアピールする機会になっている。また、県東京事務所と連携し、日本橋高島屋で県物産振興センターが毎年開催する「日向自慢みやざき展」や、県のアンテナショップ「新宿みやざき館KONNE(コンネ)」のイベントなどに際し、PRや集客を支援している。

 -求人求職相談部会は。

 高山 県教育庁の後援と会員企業の協力を得て、毎年夏に港区のハリウッドビューティ専門学校で求人求職説明会を開いている。今年は企業側が製造業、サービス業、飲食業、学校法人など13社、学校側は県立・私立高校18校、国公私立大学4校、専門学校1校が参加。本年度で12回目の開催だったが、これまでに累計で120人ほどが会員企業に就職している。

 -そのほかの部会の活動は。

 高山 観光ビジネス部会は、経営者会議の会員以外の企業にも広く参加を募り、宮崎県内の観光地を案内したり、宮崎産業活性化協会との共催でビジネス交流会を開いている。真の宮崎の魅力を伝えて宮崎観光のリピーターを増やしたり、地元各界のトップの方々との交流を通じて新たなビジネス創出のきっかけとなるような企画を心掛けている。このほかの部会では、会員の発明や知的所有権、法律相談に応じたり、会報やホームページによる情報発信などを行っている。2011年は、35代木村庄之助を引退した延岡市出身の内田順一さんの功績をたたえるパーティーなども実施した。

在京経営者会議の会員企業と本県の学校担当者が、それぞれのニーズを確認した求人求職説明会。本県出身学生が首都圏で就職する貴重な機会になっている=2011年7月15日、東京都港区のハリウッドビューティ専門学校

在京経営者会議の会員企業と本県の学校担当者が、それぞれのニーズを確認した求人求職説明会。本県出身学生が首都圏で就職する貴重な機会になっている=2011年7月15日、東京都港区のハリウッドビューティ専門学校

 -経営者会議の今後の展望は。

 高山 発足から12年が過ぎたが、マンネリにならないように工夫が必要だ。宮崎は口蹄疫や新燃岳の噴火、鳥インフルエンザに立て続けに見舞われたが、会員の皆さんは募金活動などにも積極的に協力してくれている。東日本大震災の被災地支援などにも協力した。われわれの活動は他県にも広まっており、北海道の道人会や福岡県人会との交流も始まった。ただ、今後は東日本大震災を契機として、日本再生のため国際競争力のある地域産業の活性化が強く叫ばれている。特にアジアに隣接した九州経済圏の構築も俎上(そじょう)に載せられているので、私たちも会員企業のみならず他産業界とも提携して、ベンチャー企業の育成や、宮崎への企業誘致などに結びつくような支援も手掛けていきたい。

■「公に奉仕する心」で警備業を経営

 -ジャパン・プロテクショングループは、老舗の警備会社の一つとして、東京で高い信頼を得ている。

 高山 日本で警備業が普及するようになったきっかけが、1964(昭和39)年の東京オリンピックだった。世の中が騒然としていた時代で、社会の秩序や安心・安全を守る事業への関心が高まっていた。警備業発祥の地といわれる米国の企業について学ぶ機会を通じて、日本の企業の危機管理の甘さを実感して、警備の仕事を始めた。それから多くの難関にぶつかったが、努力の積み重ねで信用・信頼してもらえるようになり、ようやく事業を軌道に乗せることができ69(同44)年に正式に法人化した。

 -現在のジャパン・プロテクショングループの業容は。

 高山 各種警備業務やビルなどの管理業務を行うジャパン・プロテクションを中核に、防犯・防災設備機器を取り扱うジェイ・ピー通商など子会社3社と、一般社団法人のCR&S総合研究所で構成している。この研究所では、国家レベルから企業・団体、家庭・個人レベルまでのさまざまな危機・危険に対する分析・研究をしており、各界の専門家に講師を依頼したセキュリティー・フォーラムもこれまでに218回開催した。本業の警備業務では官公庁や金融機関をはじめ、アップルやアバクロ(アバクロンビー・アンド・フィッチ)など日本に進出した外資系企業の顧客も増えている。グループ全体で約800人の従業員がいる。

ジャパン・プロテクションの社員らが杖道の鍛錬の成果を披露する武道始め式=2011年1月12日、東京都千代田区のジャパン・プロテクション本社ビル2階「振徳堂」

ジャパン・プロテクションの社員らが杖道の鍛錬の成果を披露する武道始め式=2011年1月12日、東京都千代田区のジャパン・プロテクション本社ビル2階「振徳堂」

 -麹町の本社ビル内には、「振徳堂」と名付けた武道場がある。

 高山 私の実家は、飫肥藩の藩校だった日南市の振徳堂のすぐ近くにある。私の曽祖父で飫肥藩の重臣だった高山伝蔵や祖父の真平もこの学びやで武士道精神を学び、小村寿太郎候ら多くの維新の英傑を輩出した。振徳堂は儒学の教えに基づき、先人の教えを守り礼節を重んじ、文武両道を鍛えることを開学の精神としていた。曽祖父の伝蔵はその会頭も務めた。当社は創業以来一貫して「公に奉仕する心」を肝に銘じ、業務遂行に当たってきた。その使命感を鍛える場として武道場を設置。文武両道を開学の精神とした藩校の名を受け継ぎ、振徳堂と名付けた。武道の未経験者でも取り組みやすく、警備業に生かせる杖道(じょうどう)を取り入れ、社員たちがけいこに励んでいる。皆が安心できる社会を実現するためにも、全社を挙げて鍛錬を続けていきたい。
(東京都千代田区のジャパン・プロテクション本社で)


プロフィル


 たかやま・ひろのり 日南市出身。日南高卒、拓殖大商学部中退。ジャパン・プロテクション代表取締役会長。10年以上前から「酔人閑話」というタイトルで、金言格言を紹介しながら時事問題に触れるはがき通信を毎月発行。毎回5000通にも達し、「切手を貼るのが大変」と笑う。本業の傍ら、千代田区平河町で「椎葉」などの飲食店を経営。2009年、椎葉村の第1号観光大使に任命された。大の相撲ファンで日本相撲協会の維持員を務める。66歳で始めた杖道は4段、71歳で始めた居合道は3段、73歳で始めた囲碁は2段の腕前。75歳。

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