みやビズ

2018年10月21日(日)
食のロングセラー

ガンジスカレー(宮崎空港ビル)

2017/11/08
 宮崎市民が愛してやまない「ガンジスカレー」。1962(昭和37)年、宮崎空港ターミナルビルの完成と同時に「空港のカレー」として誕生し、多くの旅行者を魅了してきた。

手間を掛け伝統の味守る


1962(昭和37)年に「空港のカレー」として誕生し、多くの旅行者や市民に愛されてきた「ガンジスカレー」

1962(昭和37)年に「空港のカレー」として誕生し、多くの旅行者や市民に愛されてきた「ガンジスカレー」

 宮崎市民が愛してやまない「ガンジスカレー」。1962(昭和37)年、宮崎空港ターミナルビルの完成と同時に「空港のカレー」として誕生し、多くの旅行者を魅了してきた。73(同48)年には「人気のカレーを県民にも広く食べてもらいたい」と、空港レストランを運営する宮崎空港ビルが宮崎市の宮交シティに「味のガンジス」を出店。たちまち、市民の舌をとりこにした。

 辛すぎず、甘すぎず、万人受けする味なのだが、これは空港のカレーであるためだ。空港レストラン「コスモス」の初代料理長を務めた岡崎弘明さんが「老若男女が利用する空港だからこそ、皆さんに喜んでいただける味にしたい」と考え抜いたレシピ。このレシピは、6代目となる吉田真悟料理長(46)の時代となった今も全く変わらない。

 小麦粉による絶妙のトロトロ感や、まろやかな味わい、豊かな香りが特徴。まろやかさの秘密は、甘くなるまで炒められた大量の玉ネギ。さらに隠し味としてピーナツバターが使われている。特徴と言えば、ちょっと粗めの牛ひき肉の食感も楽しい。

 ルー作りは、とにかく手が込んでおり、半日がかり。油で揚げたニンニク、ショウガ、玉ネギと3種類のカレー粉を混ぜ合わせ、さらに小麦粉を加える。小麦粉の粉っぽさを飛ばし、香りを出すためにオーブンでじっくり2、3時間をかけて焼いていく。焦がしても駄目、焼きが浅くても駄目。何度もオーブンから出して目で確認し、細かに温度を調整する。オーブンから出した後の余熱の影響も計算しなければ、最高の仕上がりは望めない。この「ルー焼き」と呼ばれる作業が最も神経を使う。

 ガンジスカレーは、空港内ではコスモスのほか、カフェ「カンナ」と搭乗待合室で提供され、空港外では味のガンジスで楽しめる。トータルで平日は250~280食、週末や繁忙期は多い日で600食が出る。ルーはすべてコスモスで調理され、各店へ運ばれる。値段はそれぞれ異なり、味のガンジスでは650円となっている。

宮崎市の宮交シティ内にある「味のガンジス」。ガンジスカレーを求める幅広い世代でにぎわう

宮崎市の宮交シティ内にある「味のガンジス」。ガンジスカレーを求める幅広い世代でにぎわう

 ガンジスカレーと人気を二分するのが、同じ62年に生まれた「宮崎和牛カレー」。ルーの基本は同じだが、隠し味やスパイスに違いがあり、はっきりとした味わいとなっている。宮崎空港ビルではこの2種類に「宮崎黒豚カレー」を加えたレトルト商品(1食550円)を2004年に発売。インターネット通販や空港内、味のガンジス、スーパー「フーデリー」などで扱っており、ガンジスカレーと宮崎和牛カレーは空港売店だけで各1500食が売れる月もある。

 宮崎和牛カレーは今年9月、日本航空の国際線ファースト、ビジネスクラスの機内食に採用された。宮崎の空の玄関口で生まれたカレーが世界の空へ羽ばたいたことに、吉田料理長は「本当にうれしい」と語り、ガンジスカレーと合わせ、「昔の味を守り続け、多くの方々に食べていただきたい」と誓う。

 ちなみに、ガンジスカレーの名前はカレー発祥のインドを流れる大河、ガンジス川に由来する。味のガンジスの皿や、レトルト商品のパッケージにあしらわれている黄色いゾウは、ガンジスカレーが誕生した当初から使われているキャラクター。半世紀以上前のデザインだが、カレー同様に素朴で飽きが来ず、長く愛されている。

 問い合わせは宮崎空港ビルTEL0985(51)5111(代表)。
(小川祐司)

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