みやビズ

2019年7月18日(木)
食のロングセラー

いりこクッキー(高橋水産)

2017/08/30
幼児でも食べられる優しい味 延岡市土々呂町の高橋水産(高橋建生代表社員)が販売する「いりこクッキー」。やや硬めの歯ごたえで、かむたびにいりこの風味が口中に広がる。

幼児でも食べられる優しい味


県北の子育て家庭で愛用され続けている高橋水産の「いりこクッキー」

県北の子育て家庭で愛用され続けている高橋水産の「いりこクッキー」

 延岡市土々呂町の高橋水産(高橋建生代表社員)が販売する「いりこクッキー」。やや硬めの歯ごたえで、かむたびにいりこの風味が口中に広がる。ほんのり優しい甘さの菓子は赤ちゃんでも安心して食べられるため、県北地区の子育て家庭で愛用され続けている。

 いりこクッキーは昭和50年代、西都市の菓子店「まるとく」の商品として生まれた。店主の徳永清さん(故人)が、妻で保育士のヨネさん(80)に「幼児が安心して食べられる菓子を作って」と頼まれて考案。カルシウムの豊富ないりこを使い、乳歯の生え始めた赤ちゃんが歯固め用になめても長持ちするよう硬めに焼き上げた。バターは使わず脂質を控え、松の葉をねじり合わせたようなデザインで小さな手でも握れるようにした。

 高橋水産は原料のいりこをまるとくに納め、完成したクッキーを仕入れて販売していた。徳永さんが2007年8月、病気のため他界。店は閉じられ、いりこクッキーの生産も終わるはずだった。ところが四十九日法要に高橋さん夫婦が訪れたとき、ヨネさんが「ポン」といりこクッキーのレシピが書かれた紙を渡してくれた。闘病中の清さんが「クッキーを焼かんといかん」とうわ言のように繰り返していたことも聞き、2人はいりこクッキーを残したいと考えた。

 水産物の取り扱いはプロだが、菓子作りは全くの素人。そこで地元の菓子店などに相談すると、「もっとバターや砂糖を使って甘く仕上げたい」といった具合に、オリジナルレシピで作ることに難色を示すところが多かった。幸い、知人で授産施設の所長が生産を引き受けてくれることになり、レシピを基にまるとくの味を再現。袋のデザインは高橋さんの妻留美子さん(60)が新たに描き起こした。

 月産は約1000袋。高橋水産のほか、延岡市内の道の駅やイオン延岡店などで販売している。乳幼児の母親のほか、「子供の頃によく食べた。懐かしい」「県外の孫に送りたい」「お茶請けに」などと購入する人が多いという。一度、ココア味と抹茶味を試作販売したがあまり売れず、今はオリジナルだけ。留美子さんは「子供への愛情が込められた素朴な味。幼い頃にいりこの風味に慣れることで魚好きになってもらえれば」と話している。

 いりこクッキーは6本入り150円。問い合わせは高橋水産 電話0982(37)0626。

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