みやビズ

2018年6月24日(日)
食のロングセラー

かしわめし(せとやま弁当)

2017/08/02
あふれる鶏のうま味 甘辛く煮付けられ、あめ色になった鶏肉が食欲をかき立てる。口に運ぶと、かむごとに染みこんだうま味が広がる。都城市のせとやま弁当(小坂恭子社長)が製造する「かしわめし」。県内の代表的な駅弁で、これを目当てに市内外から客が訪れる。

あふれる鶏のうま味


県内の代表的な駅弁として60年以上愛されている、せとやま弁当の「かしわめし」

県内の代表的な駅弁として60年以上愛されている、せとやま弁当の「かしわめし」

 甘辛く煮付けられ、あめ色になった鶏肉が食欲をかき立てる。口に運ぶと、かむごとに染みこんだうま味が広がる。都城市のせとやま弁当(小坂恭子社長)が製造する「かしわめし」。県内の代表的な駅弁で、これを目当てに市内外から客が訪れる。

 誕生は同社が西都城駅前に店を構えた1955(昭和30)年ごろ。幕の内弁当を売り出すつもりが、すでに他店が販売していたことから、駅を管理する国鉄から「特色ある別のものを」と求められたそうだ。

 小坂社長の母瀬戸山アイさん(故人)が地元の食習慣からヒントを得て開発した。当時は庭先でニワトリを飼っている家庭が多かった。来客や親戚の集まりがあった時には食材にして振る舞っており、地元の人にとって鶏肉を使った料理はちょっとしたごちそうだった。

 その家庭料理を駅弁にアレンジした。今では「せとやま弁当と言えばかしわめし」と呼ばれる看板商品に成長し、多い日は1日400個を売り切る。

 県産鶏の胸肉を使用し、カロリーは控えめながら食べ応えがある。しょうゆベースの味付けは誕生当時から変わらず、小坂社長は「レシピはおいの専務と私しか知らない」。鶏肉の下には、鶏肉の仕込みで出たスープを使った炊き込みご飯。素朴だが味わい深く、メインの肉との相性は抜群だ。

 錦糸卵ときざみのりのシンプルな飾り付け、漬物や煮豆などの添え物も長らく変わらない取り合わせだ。

看板商品の「かしわめし」をはじめ、県産食材を多く使った弁当を提供するせとやま弁当

看板商品の「かしわめし」をはじめ、県産食材を多く使った弁当を提供するせとやま弁当

 こだわりは容器にも。木の折り箱は県外から取り寄せた材料を機械で組み立てるオリジナル。「樹脂などと違って通気性が良く、ご飯が蒸れない。時間がたってもおいしく食べられる」と小坂社長はうなずく。

 進学や就職で県外に出た人にも味わってもらおうと、10年前には冷凍品を開発。急速冷凍することで日持ちするようにした。電子レンジで温めるだけの手軽さが好評で、全国に古里の懐かしい味を届けている。

 現在はサイズやおかずのバリエーションが異なる6種類を展開しており、価格は270~1290円。西都城駅前の本店と都城駅前店の2店舗で販売している。問い合わせはせとやま弁当電話0986(22)1000。
(佐藤友彦)

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