芋かりんとう(武田製菓)
愛され続ける自然な甘さ

芋かりんとうをはじめ、武田製菓の芋菓子は幅広い世代に愛されている
素材は高鍋、新富町産のサツマイモ「コガネセンガン」。焼酎の原料にもなるコガネセンガンはでんぷん質が多く、武田和志社長いわく「かりんとうを作るのに一番向いている」。これを100パーセントの菜種油で黄金色に揚げ、砂糖をからめる。シンプルだからこそ、ごまかしは一切ない。コスト的に安く、管理の手間もかからないパーム油などを使う業者もある中、菜種油を使い続けるのは「昔ながらの味を守るため」にほかならない。製法も、効率より味重視。一部工程に機械を導入しても、2度揚げなど手作り時代の製法を守っている。
1955(昭和30)年の創業から地元の芋にこだわる。宮崎市の生目地区や高岡町でまだ芋の生産が盛んな頃、多いときで1日に100軒の農家をまわって、農協に出荷できないような芋を直接購入したことも。「大変だったけど、農家にとっては貴重な現金収入になっていた」と武田社長。同社は、今でこそ全国的に盛んになった、農商工連携で農産物の付加価値を高める取り組みの先駆けでもある。
1980年代、東京や大阪、札幌など大都市の百貨店で開催された「宮崎物産展」に積極的に参加したことを一つのきっかけとして、さまざまな商品を提供したいと考えるようになり、武田社長は芋かりんとう以外の芋菓子開発に着手。串間産のサツマイモ「宮崎紅(べに)」を使い、芋の甘さとゴマの風味が楽しめる「いもっ柱」、自然な甘さの「おいも屋さんのすいーとぽてと」、独特なもちもちの食感がクセになる「揚げいももち」などラインナップを充実させてきた。
地域に根差した経営で、3世代にわたってファンがいる同社の芋菓子。宮崎ブーゲンビリア空港やプロ野球春季キャンプの会場で販売し、県外のリピーターも着実に増やしている。武田社長は「コンビニエンスストアやデパートなどでは売っていない、武田製菓ならではの商品をこれからも作っていきたい」と意欲に燃えている。
問い合わせは、武田製菓TEL0985(47)4741。
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