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2020年2月24日(月)
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“本格焼酎前線”が再北上 日本政投銀などレポート

2013/06/01
 「本格焼酎前線」が再北上―。日本政策投資銀行南九州支店(鹿児島市)と日本経済研究所(東京)は、本格焼酎業界の近年の動向に関する調査・提言レポートをまとめた。東日本大震災をきっかけに、清酒に合わせて芋焼酎を含む本格焼酎の消費が全国的に増加。「これまでは東京でとどまっていた本格焼酎前線が東北地方にも伸びそうだ」と解説している。

 レポートは「本格焼酎業界 東日本大震災後の構造変化と方向性」。焼酎は2003年まで価格、消費量も右肩上がりだったが、小売りの自由化で販売チャンネルが酒販店から大型店に移行すると、価格競争が激化。芋焼酎ブームで消費量は増加したものの、低価格化は続き、低価格の甲類焼酎に本格焼酎の乙類焼酎が押される状況が続いていた。

 本格焼酎が反転上昇するきっかけとしてレポートが指摘しているのは、東日本大震災(11年3月)。震災により東北地方の清酒の蔵元が被災したのを受け、スーパーなどに支援コーナーが設けられたこともあり、高級な清酒の出荷量は大幅に増えた。

 これに続くように、本格焼酎の消費も11年半ばから伸び始めた。同研究所の佐藤淳執行役員地域本部長は「スーパーの支援コーナーがやがて地酒コーナーに変わり、そこに置かれた本格焼酎の味を知った消費者がリピーターになった」と分析。志向が価格重視から本物志向に変化しているという。

 焼酎の消費量自体は東京以北ではまだ甲類焼酎が上だが、甲類と乙類の伸び率を比べると、10年と11年では四国を除く全ての地域で乙類が上回っている。上昇率は東北地方が最も高くなっており、「復興需要で消費が活性化され、より高級な物を志向するようになったのでは」と佐藤地域本部長。

 本格焼酎の消費量が甲類を上回る地域は、芋焼酎ブームで東京まで拡大していた。佐藤地域本部長は今回の本格焼酎の消費増を“本格焼酎前線の再北上”と位置付け、「さらに北上する」と見ている。今後については蔵元同士や食品産業との連携で、「海外輸出や商品開発に取り組み、新たな顧客層の開拓が必要」と提言している。

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