みやビズ

2018年6月25日(月)
フードビジネスの今

県内ラーメン店宮崎市進出 生き残りへ顧客獲得

2017/05/15
豊富なメニュー、家族連れも利用しやすい店内など、店作りを工夫する慶☆(王ヘンに民)大島店

豊富なメニュー、家族連れも利用しやすい店内など、店作りを工夫する慶☆(王ヘンに民)大島店

口コミ拡散挑戦後押し

 県内各地で人気を博すラーメン店が宮崎市内に出店する事例が、ここ数年相次いでいる。人口減少とともに減る顧客を獲得するため、県都で勝負を懸ける-。戦略はシンプルだが、なぜラーメン店に多いのか。そこには、支持する年齢層やネットでの口コミ拡散など、業界ならではの事情も垣間見える。

 郊外型飲食店が集中する地域にある「慶☆(王ヘンに民)(きょうみん)大島店」は2012年に開店した。席数70だが昼時だけで200人が来店することもあると同店。えびの市で1978(昭和53)年に創業し、小林店とともに西諸県地域で愛されてきたが、溝口恵水(しげみ)社長(48)は「地元だけでは経営が先細りする」と出店理由を明かす。

 昨年7月、天満2丁目にオープンした「ひじり家」は元々、都城市高城町に本店がある「黒乃家」が、同町で2015年に開いたものが移転。「家系」と呼ばれる豚骨や鶏ガラの濃厚スープが若年層を中心に人気だ。黒木聖太店長(29)は「高齢の方が多い地元では『家系』というジャンルも含め、浸透させるのは難しいと感じた」と話す。

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 県内百数十店と取り引きする製麺業者・中一本店(宮崎市)の中一正也社長(47)は「宮崎進出が目立ってきたのはここ5年くらい。出店の相談を受けることも増えた。しばらく続くのでは」と見通す。

 みやぎん経済研究所の杉山智行主任研究員は「うどんやそばに比べこってりしたイメージのラーメンは、年齢による好みの変化が早く訪れる。人口構造の移り変わりを真っ先に感じている業界なのでは」と分析。「ラーメンで起きていることが、この先あらゆる飲食業に現れる可能性もある」と注目する。

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 ラーメンは特に会員制交流サイト(SNS)での情報交換が盛んで、フェイスブック内のグループ「宮崎ラーメン部」は9千人超が参加するほど。各地域の老舗や名店がネットで話題に上るようになったことも、各店の挑戦を後押しする。
 都城市妻ケ丘町が本店の「ラーメンステップ」が今年4月にオープンした宮崎恒久店も、SNSで出店情報が拡散。開店5日分を想定していた来店客へのサービス券1500枚は、4日目の途中でなくなったという。

 若松周作社長(34)は「SNSは厳しい意見もあるが、知ってもらうきっかけになる。ラーメンは特に投稿が多く、新天地でチャレンジしやすい環境をつくってくれているのかもしれない」と感じている。

 小林市野尻町で40年の歴史がある「スミちゃんラーメン」は13年、阿波岐原町に新店舗を構えた。池田正明社長(64)は「通い続けてくれる地元の常連客のためにも、新しいお客さんを獲得し、本店の存続につなげたい」と話す。県都進出は事業拡大が主眼ではあるが、育ててくれた地元への愛着も込められている。

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