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2020年2月24日(月)
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働く女子たちの今(4)

2013/03/26

 支援  セミナー開催や企業の環境づくりも

 働き続けたいという女性が増える中で、そのやる気を支援する動きが関係機関や行政などにも出てきている。県内では創業に必要な基礎知識や経営のノウハウを学ぶセミナー・講座などが開催され、精力的な女性が参加。国や県など行政側も女性が育児と仕事を両立できる、働きやすい職場づくりを進めるよう企業に取り組みを求めている。

潜在的な意欲掘り起こし
県立図書館で開かれた「女性のための創業・経営セミナー」。馬場さん(中央)が創業・経営の壁の乗り越え方などについて話した

県立図書館で開かれた「女性のための創業・経営セミナー」。馬場さん(中央)が創業・経営の壁の乗り越え方などについて話した

 3月6日、県立図書館で開かれた「女性のための創業・経営セミナー」の会場には、約60人の女性たちが集まった。日本政策金融公庫宮崎支店・熊本創業支援センターが主催したこのセミナーは今年で2回目。定員40人を上回る参加者に、同支店国民生活事業の担当者は「主婦や会社員などさまざまな職業の女性がいたが、女性の中に『外に出て働きたい』という潜在的な意欲が多いと感じた」と話す。

 セミナーの第1部では、衣料品店「ユアーズコメヤ」(延岡市)の専務で中小企業診断士の馬場愛子さんが「創業・経営の壁の乗り越え方 5つのポイント」と題して講演。創業理由や創業10年後のイメージの明確化、支援機関への相談、経験者からの助言など、創業していく上で直面する壁を乗り越えるための手段などを指南した。

 「サロンを開設したが集客に悩んでいる」と参加者から声が上がると、馬場さんはビジネスを3年以上継続させている経営者について、営業力や人脈、仕事への情熱が共通していることを指摘。「マーケティングなど自分のビジネスに必要な知識を仕入れ、信頼できる人とのネットワークを築くことが大事」などとアドバイスした。

女性のための創業・経営セミナーには創業を目指したり、創業間もない女性たちが集まり、先輩起業家の話に耳を傾けた

女性のための創業・経営セミナーには創業を目指したり、創業間もない女性たちが集まり、先輩起業家の話に耳を傾けた

 第2部は県内で起業した女性3人によるパネルディスカッション。自らの創業経験を基に、それぞれが創業を選んだ理由や、必要な資金の調達方法などを紹介した。美容室「glesso」(宮崎市)の久保田浩子代表は、絶えず目標を設定し、それを達成しながら成長してきた経験を説明。「10年後を見据えておかなければ会社もなくなる。中期的な目標を設定し、これからも自分の言ったことに責任を持ってやっていきたい」と自らを鼓舞し、起業を目指す女性たちにもエールを送った。

 コールセンターでの約10年の勤務経験を生かすために創業を目指す宮崎市本郷の会社員中村紘弥さん(34)は、「たくさんの人と知り合ってつながりをつくることが大事だと分かった」と勉強になった様子。高齢者向けのパソコン教室などの開講を視野に、「できるだけ早く創業したい」と意欲をみせていた。

 同公庫国民生活事業は、女性や若者、シニア層の創業者向け融資制度も準備しており、この日は個別相談や創業支援にかかわる制度も紹介された。同事業は「セミナーなどを通して融資相談などにつながってくれれば」と相談者の掘り起こしにも期待を掛けている。

 創業希望者や創業間もない人を対象に、創業の心構えなどを養ってもらうために宮崎商工会議所が毎年開催しているのが「創業塾」。10回の連続講座で税務や労務、経営戦略、マーケティング、インターネットの活用法などを学び、先輩創業者の講話などもある。

 同商議所によると、創業塾参加者のうち、毎年度20~30人程度は女性。女性の参加者が半数に上る年もあるといい、2009年度は30人(全体61人)、11年度が29人(同59人)だった。「主婦業をしながらという女性もいるが、以前と比べて確実に創業に対する女性の関心は高まっている」と同商議所。創業の相談があった場合は、事業計画書の作り方や各関係機関への手続きの方法、設備資金を確保するための融資制度などを説明し、「少しずつ不安を取り除き創業を支援している」という。

「仕事と家庭の両立」で企業も目標
「仕事と家庭の両立応援宣言」登録企業件数の推移
 一方、女性が働きやすい職場環境を整備するために県が独自に取り組んでいるのが「仕事と家庭の両立応援宣言」。従業員が仕事と家庭を両立できるような働きやすい職場づくりへの取り組みを、企業トップらに宣言してもらう制度だ。06年度にスタートし、県労働政策課によると毎年度新たに30~50件程度の企業が宣言してきた。近年はさらに伸び、11年度までの累計は278件。12年度は2月末で同382件にまで増加している。

 宣言は職場の風土や休暇、勤務時間などに関するもので、例えば「突発的な事情に対応した『助け合い勤務』をする」「学校行事への積極的な参加を推奨する」「社員のフレックスタイム制を推奨する」など。ただ、実際に取り組みがどの程度進んでいるかは把握できていないものの、同課は「女性が多く働いている企業に声を掛けている。優秀な人材の確保のほか、『企業のイメージアップにもつながりますよ』と協力をお願いしている」。

「仕事と家庭の両立応援宣言」の主な内容
 国も仕事と子育てを両立できる環境づくりを進めている。次世代育成支援対策推進法に基づき、行動計画の策定や公表、従業員への周知などを従業員101人以上の企業に義務付け。宮崎労働局によると、12年12月末現在で県内企業の届け出率は98%で、大半の企業が育児休業取得率をはじめ、短時間勤務制度導入などの目標や対策などをまとめた行動計画を提出している。

 同年6月からは「女性の活躍促進・企業活性化推進営業大作戦」も展開。宮崎労働局長や雇用均等室長が、県内の業界で指導的立場にある企業、関連会社の多い企業を実際に個別訪問し、企業トップに女性の活躍を応援する取り組みを進めるよう協力を依頼しているという。同局の福手啓介雇用均等室長は「管理職や役員などに占める女性の割合はまだ少ない。管理職に就くコースに女性が乗れないという企業もあり、個人の能力に応じた昇進ができるよう、今後も企業にお願いしていきたい」としている。
(経済部・高森千絵)
=おわり=

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