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2018年6月23日(土)
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道の駅「うきは」 人気の秘密

2017/08/31
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 福岡県うきは市の道の駅「うきは」が人気だ。旅行情報誌の読者が九州・山口に150軒ある道の駅の中から選ぶ満足度ランキングで、同駅は2016、17年と2年連続で総合1位に選ばれた。地域の生産者が持ち寄る豊富な農産物、景色も楽しめる地産地消のレストランが人気の理由に挙げられるが、実際に訪れると別の魅力が見えてきた。

プロ意識で生産者と消費者つなぐ


さまざまな種類の野菜が並ぶ道の駅「うきは」の直売所。調理の仕方などを紹介するポップなどで、消費者と生産者をつなぐ工夫もされている

さまざまな種類の野菜が並ぶ道の駅「うきは」の直売所。調理の仕方などを紹介するポップなどで、消費者と生産者をつなぐ工夫もされている

 福岡県うきは市の道の駅「うきは」が人気だ。旅行情報誌の読者が九州・山口に150軒ある道の駅の中から選ぶ満足度ランキングで、同駅は2016、17年と2年連続で総合1位に選ばれた。地域の生産者が持ち寄る豊富な農産物、景色も楽しめる地産地消のレストランが人気の理由に挙げられるが、実際に訪れると別の魅力が見えてきた。

豊富な品ぞろえ


 福岡市中心部から車で約1時間。うきは市は福岡県南東部の、大分県との県境にある。国道210号沿いの筑後平野が一望できる高台にある道の駅「うきは」は、棟がコの字形の伝統的な「くど造り」の民家をモチーフにした木造建築で、周囲の穏やかな風景に溶け込んでいる。

 直売所は野菜や果物がとにかく豊富。地元の農家が500人以上登録しており、野菜だけで一日当たり50~60人が出荷するという。取材したお盆の時期はブドウや桃などの果物も充実。ブドウ、桃はそれぞれ30種類以上が、旬を迎える順番で店頭に並ぶため、味の違いを楽しみたいリピーターが増えるという。

道の駅「うきは」の施設外観。穏やかな周囲の風景に溶け込んでいる

道の駅「うきは」の施設外観。穏やかな周囲の風景に溶け込んでいる

 店内を見渡して気付いたのが、商品の特徴や食べ方を紹介するポップの多さだ。ホウレンソウなどと同じ緑黄色野菜の一つで、夏野菜の「ツルムラサキ」は、ゆで方から味付けの仕方までおいしい食べ方を詳しく紹介。「この野菜はどう食べるの」といったお客の質問に従業員は丁寧に対応する。運営する第三セクター「うきはの里」販売課の吉瀬麻衣係長(30)は、「農家の方が一生懸命作った作物をおいしく食べてもらうためには大切なこと」と話す。

 パートを含む約30人の従業員には「食育ソムリエ」の資格を取得する動きが広がる。食育ソムリエとは、知識だけでなくコミュニケーション力を付け、生産者と消費者の架け橋となるための資格。「私たちがつなぎ役となることで、生産者も消費者も笑顔になる。やりがいがある」と吉瀬係長。従業員たちの目に見えないプロ意識が、豊富な品ぞろえ、交通アクセス、ロケーションなどの魅力をさらに高め、道の駅「うきは」の人気を支えているようだ。

意識改革が実る


 オープンした2000年当初から、人気があったわけではない。大力絹夫常務取締役駅長が就任した12年当時は、従業員たちのプロ意識が低かったと振り返る。元JA職員で、出資団体の一つとして道の駅立ち上げ準備にも携わった大力駅長は、時に厳しく従業員たちを指導。意識改革を進め「生産者のため、お客さんのためという道の駅本来の姿になれたことが、今の評価につながっているのでは」と分析する。

 00年の計画で2億円だった売上高は、16年度に10億円まで拡大。来店客数もレジカウントで年64万人を数えた。生産者側もJAとのすみ分けの中、直売所の収入だけで1000万円を超す農家も多数出てきた。地域の農業を盛り上げようという設置の目的に大きく貢献している。ただ7月の九州北部の豪雨の影響で今夏の来店客数と売上高は前年同期比で3割ほど減少。苦戦を強いられている。大力駅長は「復興に時間はかかるだろうが、道の駅としての総合的な魅力向上に努め、地域に貢献していきたい」と前を向く。生産者と消費者を笑顔でつなぐ役割を果たしていく限り、道の駅「うきは」の人気はこれからも続いていきそうだ。
         
(福岡支社・鬼束功一)

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