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2018年6月22日(金)
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変わる宮崎ブーゲンビリア空港

2017/07/20
 2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向け、宮崎ブーゲンビリア空港で20億円をかけた施設改修が進んでいる。政府は観光を成長戦略の柱の一つに位置付け、20年に日本を訪れる外国人旅行者を年間4000万人に増やすとしている。これにより本県へ直接乗り入れたり、東京から地方へ周遊したりする人の増加が見込まれる。利便性や安全性など、本県の空の玄関口がどう変わるのかを探った。

独自のPBB


宮崎空港ビルがメーカーと共同開発した国内初の「小型機対応ロングPBB(旅客搭乗橋)」のイメージ図(同社提供)

宮崎空港ビルがメーカーと共同開発した国内初の「小型機対応ロングPBB(旅客搭乗橋)」のイメージ図(同社提供)

 最大の変化は国際線専用搭乗口の新設だ。宮崎空港ビルによると、現在はターミナルビル東側の6番スポット(駐機位置)を国内線と国際線で共用しているが、改修で東へコンコースを延伸。国内線用で屋外にある5番スポットに乗降のための固定橋やPBB(旅客搭乗橋)を新設し、国際線専用とする。

 空港ビルは5年前から小型機に接続できるPBBをメーカーと研究。国内初となる「小型機対応ロングPBB」を開発した。側面は強化ガラスで見晴らしがよく、ブーゲンビリアの赤やモンステラの緑など南国らしいデザインを配した景観配慮型となっている。ショートタイプもあり、ロングは傾斜がゆるやか、ショートは段差がなくて車いすでもスムーズに移動できる。

 宮崎空港発着の航空機の約半数が、PBBに接続できるが通路の勾配が急な小型機や、PBBに接続できず徒歩やバスで移動が必要な小型機だ。新型PBBによって今後は機種を問わずコンコースから直接乗降できる。年内は国際線を中心に五つのPBBを更新し、残りも数年内に替えたい考え。スポットの増設などで国際線の受け入れ能力は現状の1.5倍となる。

 高屋靖夫専務は「天気の悪い日は高齢者や障害者をはじめ利用者に迷惑をお掛けしていた。これで不便が解消される。利用者が増える年末年始は新しいPBBで出迎え、宮崎らしさをアピールしたい」と意気込む。

テロ対策も


今回増築する国際線専用の搭乗口のイメージ図(宮崎空港ビル提供)

今回増築する国際線専用の搭乗口のイメージ図(宮崎空港ビル提供)

 国際線の受け入れ能力向上と合わせ、専用の保安検査場もターミナルビル2階に新設する。国際線利用者はこれまで、国内線の保安検査と国際線の液体物検査を別々に受けていたが、新設で二重検査がなくなる。20年に向け国際線を持つ国内全ての空港で導入が進んでいるボディースキャナーも設置する。テロ対策として特殊な電波で乗客の衣服を透視し、不審物の有無を調べる。

 今回の改修ではほかに、搭乗待合室西側の手荷物受取所へと通じる階段側に到着専用エレベーターを設置する。ターミナル南側には東京五輪の組織委員会が策定したガイドラインに沿った13人乗りのエレベーターを年内にも新設する。2階東側のショッピングフロアも全面改修する。

国際線専用の保安検査場に設置されるボディースキャナーのイメージ図(宮崎空港ビル提供)

国際線専用の保安検査場に設置されるボディースキャナーのイメージ図(宮崎空港ビル提供)

 熊本地震があったにもかかわらず、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションの利用客増などで、16年度の宮崎空港の乗降客数は306万人と9年ぶりに300万人台を取り戻した。レストランでの地産地消メニュー提供や、多彩なイベント企画の取り組みが実り、宮崎空港ビルの16年3月期決算は経常利益が約3億1900万円と過去2番目の高水準だった。

 レストランや売店、イベントでの利用をさらに増やすため、空港駐車場の無料駐車時間を現在の30分から90分に伸ばそうと空港環境整備協会(東京)と協議している。駐車場も南側を拡張し、収容台数を現在の860から1000に増やしたい考え。高屋専務は「空港利用者には送迎だけでなく、ゆっくりと時間を過ごしてもらえるよう、魅力的な環境を整えていきたい」と話している。
(久保野剛)

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