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2018年5月20日(日)
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JR延岡駅周辺再生なるか

2017/06/29
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複合施設は来年3月オープン


 延岡市のJR延岡駅周辺整備事業が大詰めを迎えている。新駅舎が8月に開業するほか、市が建設している複合施設も着々と工事が進んでおり、来年3月のグランドオープンを目指す。県北の玄関口がどう変わり、人の動きが生まれるのか。展望や課題を探った。

■市民呼び込みにぎわい創出


複合施設や東西自由通路の工事が進む延岡駅前

複合施設や東西自由通路の工事が進む延岡駅前

 空洞化が深刻化する中心市街地の再生を目的に、整備事業の議論は2008年度から始まった。ワークショップや会合で官民の意見を集約し、12年度に基本計画を策定。計画では同駅が全面改修され、西口に直結する複合施設を市が設けるほか、宮交のバスセンターなどが移転新築されることになった。

 目玉は市が約17億円を投じて建設する複合施設だ。他県の駅前開発の事例で、単純な商業ビル建設は一過性の効果に終わることが多いという。これを踏まえて市民を継続的に集められる仕組みを模索。市民活動の場を設けることで、駅を拠点に中心市街地の交流人口を増やし、にぎわい創出や商業再生につなげられると判断した。

延岡駅周辺整備事業の完成予想模型(延岡市提供)

延岡駅周辺整備事業の完成予想模型(延岡市提供)

 複合施設は鉄筋コンクリート2階建てで、高さ8.8メートル、延べ床面積は1681平方メートル。1階は鉄道やバスの総合待合所やカフェ、児童図書などを置くキッズスペース、情報発信スペースなどを配置。カフェや物販店舗も入る予定。2階は椅子や机が随所に設置され、読書や打ち合わせ、勉強など多目的に利用できるフリースペースが大部分を占める。

■年間利用者70万人を想定


 市は複合施設の年間利用者を延べ70万人と想定する。年中無休の場合、1日当たりの利用者は約2000人。同市商業・駅まち振興課によると、同駅の1日平均乗降客は2400人。同課の日高孝則課長は「かなり高い目標。駅の乗降客をいかに取り込むかが重要になる」と分析する。

複合施設の室内イメージ(延岡市提供)

複合施設の室内イメージ(延岡市提供)

 駅舎は複合施設に先立ち8月にオープンし、駅西側と東側を結ぶ屋根付きの「東西自由通路」も10月以降に供用が始まる。市は順次、駐輪場や広場を整備し、今後は複合施設の愛称募集や市民見学会も予定している。

 市民の期待は大きい。駅近くで居酒屋を経営する齊藤重子さん(83)は「駅前はほとんど人が通っていない。魅力のある施設となり、周辺にも恩恵があるといい」。駅前のマンションに住む男性(70)は「あまり利用しない駅に行ってみようかという気持ちになる。完成が楽しみ。街が息を吹き返すのはこれが最後のチャンスだろう」と話した。

複合施設の室内イメージ(延岡市提供)

複合施設の室内イメージ(延岡市提供)

■回遊性と駐車場に再生の鍵


 延岡商工会議所の商店街通行量調査によると、西口主要3商店街(ココレッタ、まちなかキッズホーム、山下鳥居前)の平日の歩行者は、16年が1日約2900人。11年の約4800人から、この5年間で約40%も落ち込んだ。商店街を再生するには駅からの人の回遊性をいかに高めるかが鍵となる。

 今後の課題は、来場者向け駐車場の無料化だ。駅周辺には1時間100~200円の利用料を徴収する民間駐車場が多い。一方、市が確保した約100台の駐車場について市民からは、無料化を望む声が根強い。

 ただ、周辺の民間駐車場への配慮を求める声もあり、市民とのワークショップでは、上限時間を設けた無料化対応など慎重な案が上がっている。市は「民間業者への影響も見定めながら検討する」としている。
              
(佐藤友彦)

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