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2018年6月25日(月)
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どうなる?イオンモール宮崎増床

2017/04/06
 2018年春に新棟を開業させ、大幅リニューアルを図る宮崎市新別府町のイオンモール宮崎。県内最大の商業施設として05年にオープンして以降、年間1000万人という集客力で県内の消費動向を一変させた。今回の増床では200万人の上積みを目指す。どのような施設に生まれ変わるのか探った。

滞在時間延ばす仕掛け随所に


イオンモール宮崎増床後の完成予想図。延べ床面積で30パーセントの増床となる(イオンモール提供)

イオンモール宮崎増床後の完成予想図。延べ床面積で30パーセントの増床となる(イオンモール提供)

 2018年春に新棟を開業させ、大幅リニューアルを図る宮崎市新別府町のイオンモール宮崎。県内最大の商業施設として05年にオープンして以降、年間1000万人という集客力で県内の消費動向を一変させた。今回の増床では200万人の上積みを目指す。どのような施設に生まれ変わるのか探った。

全体で20~30パーセント増


 運営するイオンモール(千葉市)は3月29日に宮崎市で記者会見し、新棟と既存棟のリニューアル計画を発表した。

 これによると、新棟は2階建てで南側駐車場に建設される。概要は1階が屋根付きの駐車場とテナント、フードコート。2階がテナント、屋上が駐車場となる。既存棟の一部を改装し、新棟と東西で接続。通路が楕円(だえん)形のサーキット型モールとすることで回遊性を高め、滞在時間を延ばす狙いがある。

既存棟と新棟の間に配置される「中庭テラス」。フードコートから出入りでき、滞在時間を延ばす空間となる(イオンモール提供)

既存棟と新棟の間に配置される「中庭テラス」。フードコートから出入りでき、滞在時間を延ばす空間となる(イオンモール提供)

 増床後の延べ床面積は約30パーセント増の約13万平方メートル、総賃貸面積は約20パーセント増の約8万4000平方メートル。テナント数は約70増の240店舗前後となる。

 売上高については非公表としているが、複数の関係者によると直近で約300億円。増床後の売上高は約30パーセント増の400億円に近づけるとされ、施設、集客数、売上高ともに全体で20~30パーセントのボリュームアップとなる見通しだ。

物販だけではない魅力


 今回の計画で特徴的なエリアが新設される「中庭テラス」。既存棟と新棟のフードコートを中庭でつないだ吹き抜けになっている。子どもが遊び、大人がくつろげる場所になるという。イオンモールの藤木光広営業本部長は「まさに公園のような雰囲気にしたい。床の材質や植栽にもこだわりたい」と説明する。

新棟のフードコートはゆったりと客席を確保。「ちょっとしたぜいたくを味わえる空間」になっている(イオンモール提供)

新棟のフードコートはゆったりと客席を確保。「ちょっとしたぜいたくを味わえる空間」になっている(イオンモール提供)

 これまでは来店客が休憩したり、子どもを遊ばせたりする空間が十分ではなかった。買い物以外で来店するきっかけを増やして集客につなげる、体験型の「コト消費」を重視する中で、来店客の滞在時間を延ばす工夫は不可欠。また、ライバルにある県外の大型商業施設の多くがこうした空間を設けることで、来場者の獲得に成功している。

 さらに新棟のフードコートは「大人が楽しむフードコート」がコンセプト。こだわりの食材を使った料理を提供する店をそろえ、飲食と時間を楽しむカフェのような空間を演出する。藤木営業本部長は「イベントや演奏会にも利用したい」と話しており、いかに滞在時間を延ばすかに注力している。

アミュプラザを意識


 増床とリニューアルで最も注目されるのが新規テナント。衣料品関連のテナントについてイオンモールは「福岡に行かなければ買えない、インターネットで買っていたファッションを宮崎で手に取り買うことができる環境を整備する」と強調する。

 イオンモール宮崎は、ほかのイオンモールと客層が明らかに違う。1平方メートル当たりの売り上げを示すフロア単価は、西日本のイオンモールの中でも有数の高さだという。日常着ではなく「お出掛け着」での来客が多く、客単価も高い。

新棟1階のテナントには宮崎初となるファッションブランドや生活雑貨専門店などが並ぶ予定(イオンモール提供)

新棟1階のテナントには宮崎初となるファッションブランドや生活雑貨専門店などが並ぶ予定(イオンモール提供)

 県外の大型商業施設ではJR九州が福岡、大分、鹿児島で運営する複合商業施設「アミュプラザ」がこうした特性を持つ。今回の増床ではアミュプラザに近い立ち位置を本県で確立することを狙う。

 新規テナントは年明けにも発表される。イオンモール宮崎の藤本康久ゼネラルマネージャーは「ファッションから生活雑貨まで、『大人・上級』をテーマに本物志向で上質なライフスタイルを提案する」としており、県内の商業施設でトップの地位を明確にしたい考えだ。
(巣山貴行)

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