みやビズ

2019年7月19日(金)
フォーカス

ネットで女性起業家支援

2016/10/13

「1億総活躍」も追い風

 インターネットを活用して女性起業家を支援しようという動きが広がっている。手軽に経営相談や資金調達ができ、固定観念にとらわれないアイデアを生かして女性が新しいサービスや商品を生み出せるよう後押しする。政府が「1億総活躍社会」実現の一環として、女性起業家支援を掲げていることも追い風だ。

■アドバイザー
ビデオ電話で、東京にいるアドバイザー(右)に相談をするナーシング・コア・コーポレーションの神戸貴子代表

ビデオ電話で、東京にいるアドバイザー(右)に相談をするナーシング・コア・コーポレーションの神戸貴子代表

 「サービスの提供地域を広げたいが、どうしたらいいでしょうか?」

 6月下旬、鳥取県米子市周辺で高齢者の通院のために看護師など医療福祉の専門家を派遣するサービス「わたしの看護婦さん」を展開するナーシング・コア・コーポレーションの事務所。神戸貴子代表(42)は、ネットを使ったビデオ電話で、東京にいるアドバイザーに問い掛けた。

 2015年8月に起業し、地元だけでは利用者が思うように集まらない状況が続いているという。アドバイザー仲介事業の「ビザスク」(東京)のサービスを利用し、医療・福祉系の経営の専門家を紹介してもらった。料金は平均1時間1万5000円程度。

 アドバイザーから「まず事業規模の目標を明確にしてから、米子市以外にも進出が必要かどうかを考えるべきだ」と助言された。神戸さんは「地元では得られない率直な指摘で、目が覚めた」と話す。

 ビザスクの端羽英子社長(38)は「女性は子育て・介護と経営の両立を迫られることも多い。成功した女性起業家はまだ少なく、ネットを活用して全国の経験者に相談することは重要だ」と指摘する。

■広がり
 起業は自分の能力や経験を生かして、自分の裁量で柔軟に仕事をできることが魅力だ。だが、経済産業省が3月に発表した女性起業家の実態を調査した報告書によると、女性の起業家数は男性に比べまだ少ない。年代別では、子育て期の35~39歳が最も多く、子育てとの両立が課題だ。

 近年は、趣味を生かした比較的事業規模が小さい例から大規模な事業経営を目指すケースまで裾野が広がっており、ステージごとに適切な支援を講じて育成していく必要がある。

■応 援
 ネットを通じて不特定多数の人から資金を募るクラウドファンディングの手法が、女性起業家の強い味方になることもある。11年3月にサービスを始めたREADYFOR(レディーフォー、東京)では、これまで仲介した案件約5000件のうち半分が女性のものという。

READYFORの女性起業家向けのサイト

READYFORの女性起業家向けのサイト

 専用サイトに目標金額と募集期間、事業の目的を掲示する。目標に到達すれば、支援者に資金を元に生まれた商品やサービスを提供し、同社には資金の一部を手数料として支払う仕組み。

 秋田の芸者文化「あきた舞妓(まいこ)」のサービスを提供する「せん」(秋田市)は、料亭だった市内の木造2階建て建物を、劇場や飲食施設を備えた複合施設に改築するため、総費用5000万円のうち1000万円を目標に、15年12月に資金を募集。約2カ月で277人から目標金額を上回る約1400万円が集まった。

 水野千夏社長(27)は「多くの人から応援されていると実感でき、事業を成功させたいという決意が一層強くなった」と話す。レディーフォーは女性起業家向けの専用サイトを作成。今後もサービスを強化していく方針だ。

アクセスランキング

ピックアップ