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太陽光発電をめぐる動き(下)

2013/10/22

 小規模ソーラー  経済活性化へ県も推進


 全国的に設置認可が急増している太陽光発電だが、発電出力1000キロワットを超えるメガソーラー(大規模太陽光発電所)は土地や資金面など参入には一定の資本力が必要となってくる。これに対し、県は中小企業でも取り組みやすい同10キロワット~50キロワット未満の小規模ソーラー発電を「県内経済を活性化する産業」として普及に力を注いでいる。

「自社の体力に合わせて導入」
県内から企業個人も含め多くの参加者が集まった小規模ソーラー発電マッチング会

県内から企業個人も含め多くの参加者が集まった小規模ソーラー発電マッチング会

 9月下旬、宮崎市の宮崎観光ホテルで県主催の「小規模ソーラー発電のマッチング会」が開かれ、県内から企業や個人59社70人が参加した。小規模ソーラー施設の販売・施工業者13社、融資相談を受ける金融機関4行などがブースを設け、設置を希望する中小企業関係者らに対し、具体的な設備の内容や建設費の見積もりなどを説明した。

 塗装業が主体のヒラハラテクノ(宮崎市)の平原伸一専務は「これまで他社の状況を様子見していた。大きくもうけようとは思ってはないが、会社の経費くらいは出ればいいかなと思う」と話し、20~30キロワットの小規模ソーラー発電所の設置を検討するという。宮崎市の不動産会社代表(57)は「遊休地があるのでそのまましておくのはもったいない。県内でも取り組んでいる企業も増え、やらないと損する気がする。本業の下支えになれば」と、設置費用などの見積もりを業者に依頼していた。

 小規模ソーラーであれば、企業の体力に応じて取り入れられハードルも低い。10月25日にも日南市の日南総合運動公園でマッチング会を開催する県産業振興課の岩切道雄主幹は「1億円以上かかるメガソーラーと違い小規模であれば投資額は2000万円以下で中小企業も取り組みやすい。売電収入が地元に落ちていけば、関連産業まで含めて地域経済が活性化する」と、地域での経済効果にも期待を込める。

「10年、20年先が楽しみ」
各業者のブースで設備や建設費などについて相談していた参加者たち

各業者のブースで設備や建設費などについて相談していた参加者たち

 宮崎市田野町の269号近くの畑に設置された30キロワットの小規模ソーラー発電。土木や水道工事を請け負う濱崎組(宮崎市田野町)の濱崎健専務が所有地に個人で設置した。3年前に自宅屋根に設置したのが初めてで、会社の事業としてソーラーパネル販売を手掛けていることもあり、その後、遊休地などにも設置。当時の売電価格48円で売電収入の推移を見守ってきたが、「安定した発電量で10キロワットで平均年50万円の売電収入になる」という。

 2012年から買い取り価格は42円となったが、産業用(10キロワット以上)の買い取り期間が10年から20年に延長されたことを受け、会社の事業としても導入。現在、機械倉庫用の土場の一角に20キロワットの太陽光発電を設置する準備を進める。

 濱崎専務は「土地も購入したので固定資産税分など少しでも賄えれば。10年、20年先が楽しみ」と話す。同社の場合は土地造成などの土木工事を自社で行い、出費を抑えることができており10~12年で建設費を償還する見通しという。小規模ソーラーについて濱崎専務は「50キロ以上になると新たな負担金が発生したりするが、50キロ未満だと投資もそこそこで済む」と説明し、20年の固定買い取りによって採算を見通せる、と自信をみせる。

濱崎さんが所有地の遊休地に建設した30キロワットの小規模ソーラー発電所

濱崎さんが所有地の遊休地に建設した30キロワットの小規模ソーラー発電所

 県主催の小規模ソーラー発電セミナーで講演した米良電機産業(宮崎市)の太陽光発電事業・再生可能エネルギー担当の伊豆元政吾課長は「12年以降、太陽光発電の受注は爆発的に増加している」と説明。同社家電部で現在動いている太陽光発電の案件のうち、小規模ソーラー発電が約半分を占めるという。

 そんな中で同社では同社販売店やイベントなどで太陽光発電導入についての相談を受け付け。伊豆元課長はこう注文する。「太陽光発電に対する認識が薄く、『付けて失敗した』という人もいる」としながらも、「まずは設備を良く知った上で20年間の事業計画をしっかり考え、長期で任せられるメーカーと業者を選んでほしい。その上でしっかり取り組めば確実に利益を上げられる」。

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