みやビズ

2018年8月15日(水)
紙面県内経済

海外展開に挑む1 マーケット

2016/10/28

 中国・四川省の省都である成都市の人口は約1470万人。2001年に1千万人を超えて以降も増え続け、東京の約1360万人を上回っている。ショッピングセンターや飲食店街はいつもにぎわい、その一画では、子供向けの巨大なエアー遊具などが人気を集めている。設置したのは、遊具のレンタルや販売を手掛けるワン・ステップ(宮崎市清武町)が15年春設立した現地法人だ。

中国・成都市にある広場に設置されたワン・ステップのエア遊具やミニ電車。海外の巨大市場に成長の芽を探る(ワン・ステップ提供)

増え続ける人口魅力 

 中国・四川省の省都である成都市の人口は約1470万人。2001年に1千万人を超えて以降も増え続け、東京の約1360万人を上回っている。ショッピングセンターや飲食店街はいつもにぎわい、その一画では、子供向けの巨大なエアー遊具などが人気を集めている。設置したのは、遊具のレンタルや販売を手掛けるワン・ステップ(宮崎市清武町)が15年春設立した現地法人だ。


 「日本で流行するような凝ったデザインより、とにかく大きい方が受けている」と山元洋幸社長。好みの違いに最初は戸惑ったが、積極的に情報を集めてニーズを把握し、事業を堅調に進めている。

 成都市への進出を決めたのは、現地パートナーとの縁もあったが、何より人口規模が魅力だった。山元社長は「成都で成功させ、一つのビジネスモデルとして確立させたい」と意気込む。

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 成長著しい中国などの海外市場。その取り込みを柱の一つとする政府の「日本再興戦略」と連動するように、県内でも輸出企業が増えてきた。県の貿易企業実態調査によると14年の輸出企業数は157社に上り、過去10年で最多となった。

 進出先は中国がトップで19社。人口密度の高い香港14社、シンガポール13社と続く。県オールみやざき営業課は「厳しい衛生管理規制や輸入税、物流コストといった障壁はあるが、人口の多さや人口密度の高さは魅力。富裕層も増え、『多少高くても良いものは買う』という傾向も輸出を目指す企業を後押ししている」と分析する。

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 縮小の一途をたどる国内市場の行く末に不安を抱く企業は多い。業績を維持・向上させるための活力をどこで補うのか。隣国に東京より人口が多く、経済成長に勢いもある都市があるのだから、リスクを覚悟で進出する企業が増えるのは不思議ではない。

 ワン・ステップも、元から海外志向が強かったわけではない。02年の設立以降、遊具会社と共同開発したオリジナル製品を武器に県内外で販路を開拓。ブライダル関連事業なども複合的に展開し、売り上げは右肩上がりだ。しかし、国内の人口減少が会社の展望に重くのし掛かる。山元社長は「(資金面で)体力のあるうちに海外展開の基盤をつくっておきたかった」と中国進出の狙いを説く。

 中国では地元企業との競合も激しく「収益の向上は簡単ではない」(山元社長)。それでも挑戦するのは、強い危機感の表れでもある。
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 人口減少に伴う市場縮小の波は、本県のような地方にほど早く強く押し寄せる。だからこそ、海外や県外の市場で「外貨」を稼ぎ、得た外貨を可能な限り県内で循環させる経済構造への転換が求められる。本シリーズではその方策を考える。第1部は海外市場に目を向ける。

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