企業の課題、学生解決 県事業、新商品など企画

「串刺じゃむ」(右)と、女性を意識したデザインに一新したジャム
県は企業から募った課題の解決に大学生が取り組むオープンイノベーション事業を実施している。学生の企画力向上などを目的としており、昨年度に続き2年目。本年度は県産フルーツの消費拡大など2社から寄せられた課題2件の解決に当たってきた。
同事業には高等教育コンソーシアム宮崎と宮崎商工会議所が協力。宮崎大や宮崎産業経営大の学生15人が、昨年11月から企業や専門家の意見を聞きながら取り組んできた。宮崎長友農園(宮崎市清武町)が示した課題「宮崎のフルーツの魅力を伝えるには」に対し、学生らは新商品の開発を提案。試行錯誤し、ジャムの一歩手前の状態で果肉を成形するという全く新しいジャンルにたどり着いた。この「串刺じゃむ」は生の果実に近い風味や食感にこだわり、手軽に食べられる新感覚を狙った。
また、同社ジャムのラベルと瓶のデザインを一新。宮崎市の中心市街地で2月に開かれたイベントで販売したところ、112個も売れた。「串刺じゃむ」は1時間余りで試食用の210個がなくなり、その際に行ったアンケートで指摘された問題点を改善し、商品化を目指す。
協同ファーム(川南町)は自社ブランド「まるみ豚」を原料に、カレー倶楽部ルウ(都城市)、ヤマエ食品工業(同)と共同開発した「カレー豚みそ」のプロモーションを依頼した。学生らは写真共有アプリ「インスタグラム」を活用したレシピコンテストを企画。70品を超すレシピが寄せられ、フォロワーの支持を多く集めた10品を食べ比べてグランプリを決定するイベントを今月21日に開催した。
宮崎大教育学部3年の寺本安美香さん(21)と共にジャムのデザインを考案した農学部3年の城嶋るなさん(21)は「従来のデザインは高級感はあったが、個性的ではなく他社商品との間で埋没する可能性があった。女性をターゲットにしたい会社側の意向に沿い、女性受けするデザインを追求した」と話し、「多くの消費者に受け入れられ、自信になった」と達成感を口にした。
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