みやビズ

2018年10月21日(日)
紙面県内経済

児湯食鳥の海外戦略(中)市場

2018/02/09

 ベトナムの人口は1987年に6200万人、97年に7400万人、2017年には9500万人と右肩上がりに増え、1億人に迫る。しかも、平均年齢は17年時点で31歳ほどと若い。今後もさらなる人口増と経済成長が見込まれ、消費市場としての魅力を増すことが予想される。それだけに、世界中の企業から熱い視線が注がれる。

豚肉が店頭に並ぶベトナムの市場。経済発展とともに、食の安全に対する消費者の意識が高まっており、コユ社にとって追い風となっている=ホーチミン市

ベトナムからアジアを拓く 安全意識向上 追い風

 ベトナムの人口は1987年に6200万人、97年に7400万人、2017年には9500万人と右肩上がりに増え、1億人に迫る。しかも、平均年齢は17年時点で31歳ほどと若い。今後もさらなる人口増と経済成長が見込まれ、消費市場としての魅力を増すことが予想される。それだけに、世界中の企業から熱い視線が注がれる。

 児湯食鳥(川南町、渡部博行社長)が、ベトナムに現地企業と合弁会社「コユ・アンド・ユニテック」を設立したのも、成長著しいベトナムの活力を取り込むためだが、人口増以外にも追い風が吹く。それは生活スタイルの変化だ。

 ベトナムは共働き世帯が多い。近年、生活水準の高まりを背景に各家庭に冷蔵庫が普及。家庭での料理の手間を減らそうと、冷凍食品の需要が増加傾向にある。ベトナム最大の経済都市ホーチミンに相次いで進出する日系や地元の大型ショッピングセンター、コンビニエンスストアの冷凍食品コーナーには数多くの商品が並ぶようになった。

 また、ベトナム国民の生活に密接に関わる市場にも変化が出てきた。最近まで生きた鶏が食肉用として店先に並んでいたが、鳥インフルエンザなどの防疫上の理由から禁止されている。

 コユ社は各農場での飼育段階から日本方式を採用。安心安全を最優先とし、その安全性などにおいて他社との差別化を図る。こうした日本基準の品質は、食の安全に対する意識が高まるベトナム国民に受け入れられ、売り上げを伸ばしている。
■    □
 加工品の生産能力の増強に加え、今後はオランダ、ベルギーの企業と連携したアジア戦略を展開する。ベルギー企業がひなを供給し、飼料大手のオランダ企業が飼育。コユ社が食肉処理や加工、販売、輸出を担う構想だ。日本向けの輸出仕様で飼育し、トレーサビリティー(生産流通履歴)を厳格に行うことになる。

 日本では確固たる地位を築いている児湯食鳥グループだが、ベトナムで事業を軌道に乗せた意味は大きい。この成功によって、グローバルに事業展開する欧州2社をパートナーとし、海外展開のスキームを構築できたからだ。それぞれに得意分野を持つ日欧3社による連携は、日本を含む巨大市場アジアにおける鶏肉業界のシェアを大きく変える可能性を秘める。

 渡部社長は「コユ・アンド・ユニテックはまだ幼稚園児のようなもの。さらなる成長へ、しっかりと利益を出すシステムをつくっていく。それが私の仕事」と、次なるステージを見据える。

アクセスランキング

ピックアップ