みやビズ

2018年8月19日(日)
紙面県内経済

児湯食鳥の海外戦略(上)生産

2018/02/08
 ブロイラー生産販売で国内トップの児湯食鳥(川南町)が、ベトナムに現地企業と合弁会社「コユ・アンド・ユニテック」を設立して3年。児湯食鳥グループが培ったブロイラー育成技術や高度な衛生管理システムなどを“移植”したコユ社は、同国内における鶏肉や加工品の売り上げを伸ばし、日本への輸出の道を開くなど成長の歩を速める。日本国内で市場縮小や労働力不足が深刻化する中、成長著しいアジアの活力を取り込む児湯食鳥の海外戦略をリポートする。

徹底的に衛生管理されたコユ・アンド・ユニテックの加工施設。児湯食鳥グループが培った技術やノウハウが生かされている=ベトナム・ドンナイ省

ベトナムからアジアを拓く 輸出先拡大に手応え

 ブロイラー生産販売で国内トップの児湯食鳥(川南町)が、ベトナムに現地企業と合弁会社「コユ・アンド・ユニテック」を設立して3年。児湯食鳥グループが培ったブロイラー育成技術や高度な衛生管理システムなどを“移植”したコユ社は、同国内における鶏肉や加工品の売り上げを伸ばし、日本への輸出の道を開くなど成長の歩を速める。日本国内で市場縮小や労働力不足が深刻化する中、成長著しいアジアの活力を取り込む児湯食鳥の海外戦略をリポートする。
(福岡支社報道部次長・鬼束功一)

 ベトナム最大の経済都市ホーチミンから北東約40キロにあるドンナイ省の省都ビエンホア市。この地にある工業団地にコユ社の食鳥処理施設と加工施設は立地する。2017年3月に完成した加工施設(延べ床面積約3100平方メートル)は、厳格な日本の衛生管理基準を満たすシステムや最新機器を導入。場内は加熱エリアと非加熱エリアが厳密に分けられる。

 鶏肉処理に伴う臭いがしないのは、日々の清掃、機器のメンテナンスを徹底している証左だ。コユ社の最高経営責任者(CEO)で代表取締役会長を務める児湯食鳥の渡部博行社長は「児湯本社よりも清潔感あふれた工場になり得る」と語り、500人を超す従業員の意識が日本水準に近づき、超えていくことを確信している。
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 14年12月にコユ社を設立して2年間は、設立のパートナーとなった現地企業のデッドストック処理や老朽化した設備改修といった負の遺産の整理に追われた。ただ、その一方で手を打ってきた輸出準備が3年目に花開く。

 17年8月、前例のなかったベトナムから日本への畜産加工品の輸出にこぎ着けたのだ。一口に輸出と言っても、日本にとってベトナムは家畜伝染病のリスクから牛豚や鶏の肉、加工品の輸入禁止地域となっている。しかし、加工品については農林水産省が認めた施設で適切に加熱処理されることなどを条件に輸入を許可しており、児湯食鳥が主導してコユ社から日本への輸出を実現させた。

 日本への販路開拓は、海外市場における収益力強化を目指すベトナム農業への多大な貢献となり、同国政府関係者を大いに喜ばせた。また、品質や安全性に厳しい日本と取引していること自体が付加価値となり、ミャンマーやモンゴルなどから新規取引の打診が同社に寄せられている。

 輸出拡大に向け、既存加工場の生産ライン増強と新工場建設が進む。渡部社長は「ベトナムからの輸出事業は間違いなく児湯食鳥グループ発展の第二の柱となる」と手応えを口にする。

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