みやビズ

2019年7月21日(日)
紙面県内経済

みやざき経済Eye アイ・ホーム

2018/01/19
 建築物の省エネルギー性能を表示するための第三者認証「BELS(ベルス)」。宮崎市のアイ・ホーム(田村寛治社長)は一戸建て住宅のベルス取得件数(直近=昨年11月末現在)で、大手ハウスメーカーを含めた全国順位が設計部門で6位、施工部門で8位と上位に立つ。同社は省エネ性能に加え、温熱環境や耐震性能の高度化に注力。高性能住宅に対する消費者の支持を広げ、受注を伸ばす。
住宅性能の第三者認証 省エネ、耐震で支持拡大

BELSの最高レベルである星5個を大きく上回る省エネ性能を備え、ZEH仕様にもなっているアイ・ホームのモデルハウス「我が家リゾート」=佐土原町下那珂・光陽台(同社提供)

BELSの最高レベルである星5個を大きく上回る省エネ性能を備え、ZEH仕様にもなっているアイ・ホームのモデルハウス「我が家リゾート」=佐土原町下那珂・光陽台(同社提供)

 建築物の省エネルギー性能を表示するための第三者認証「BELS(ベルス)」。宮崎市のアイ・ホーム(田村寛治社長)は一戸建て住宅のベルス取得件数(直近=昨年11月末現在)で、大手ハウスメーカーを含めた全国順位が設計部門で6位、施工部門で8位と上位に立つ。同社は省エネ性能に加え、温熱環境や耐震性能の高度化に注力。高性能住宅に対する消費者の支持を広げ、受注を伸ばす。

 ベルスは、省エネ性能の表示についてハウスメーカーなどの努力義務を盛り込んだ建築物省エネ法によって制定されたガイドラインに基づく。2016年4月に運用を開始し、第三者機関が性能評価を行う。性能は星の数で表示され、省エネ基準の適合レベルで2個、最高で5個。建物の“燃費”を見える化することで、消費者の家選びに役立ててもらうことを意図する。

 これとは別に、国は20年までにハウスメーカーなどの注文戸建住宅の過半数でZEH化を目指す。ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことで(1)断熱性能の大幅向上(2)高性能設備による大きな省エネ(3)再生可能エネルギーの導入(創エネ)-が必要。この組み合わせによって「年間で消費するエネルギー量が正味でおおむねゼロ以下」と「快適な室内環境」を同時実現する住宅だと国は定義している。

 こうした動きは地球温暖化対策やエネルギー需給の改善を目的とする。アイ・ホームでは全棟でベルス最高の星5個を獲得。実際には、そのほとんどで星5個の基準値を大きく上回る省エネ性能を備える。ゼッチ仕様の割合は65・1%(昨年1~10月)にまで高まっている。

■     □

 同社の家造りのコア技術と言えるのが、全国のハウスメーカー有志で開発・共有する特許技術「マッハシステム」。熱交換率の高い換気システムと、同社が指定する性能を備えたエアコン1台で全館空調を実現。家全体の冷暖房、除加湿、空気浄化、換気のすべてを行う。省エネに加え、ヒートショックやシックハウスの予防といった健康面での利点もある。

 ただ、省エネをはじめとする住宅の高性能化はコスト増につながる。しかし、田村社長は「トータルコストで考えるべき」と語る。同社はゼッチ基準に必要な太陽光発電の2倍の創エネを推奨しており、築後35年間の試算では一般的なオール電化住宅と比べ、断熱や省エネの効果と自家発電、余剰電力の売電によって最初の10年間で330万円、売電価格が下がる11年目以降の25年間で639万円、計1千万円近く得になるという。さらに新築時にはゼッチなどの補助金を得られるメリットもある。

 また、耐震性能についても第三者が評価する住宅性能表示制度を活用する。熊本地震を受け、国が設置した委員会の報告書によると、同制度に基づく耐震等級3の住宅は被害の大きかった熊本県益城町中心部でも大きな損傷が見られず、ほとんどが無被害だった。同社の住宅は等級3が標準となっている。

 同社の17年の受注実績は前年比34%増の166棟に伸びている。一方で、ベルスの取得・表示にしても、住宅性能表示制度の活用にしても任意であり、全国的に浸透が進んでいない。田村社長は「家造りは多くの場合、一生に一度の大きな買い物であり、省エネ性能や安心安全を公正な第三者の評価という形で消費者に示すのは造り手の責任」と話し、取り組みの広がりを求める。

アクセスランキング

ピックアップ