みやビズ

2018年12月15日(土)
紙面県内経済

経済展望2018 県内トップインタビュー(1)

2018/01/10
 回復から成長へ期待が膨らむ一方、人手不足などの難題を抱える2018年の県内経済。本県を代表する経済人10人に展望や戦略を聞いた。

県商工会議所連合会・米良充典会頭

海外販路果敢に拡大

 -県内経済はどう動くか。

 海外へのチャレンジが県内産業の新たな道を開く。台湾は2017年、日本産牛肉の輸入を16年ぶりに解禁した。その第一便が宮崎牛約270キロだった。宮崎牛が現地で非常に大きく取り上げられた一方で、遅れて到着した県外産の和牛は現地での存在感をほぼ消した。先手を打つことがどれだけ大切かが身に染みた。他の産品についても、こうした取り組みを果敢に進めなければいけない。

 また、香港、シンガポールでは本格焼酎、日本茶、大根、甘藷(かんしょ)といった県産品の人気が非常に高い。米国西海岸ではジェトロ宮崎の活躍や昨年は河野知事のトップセールスもあり、本格焼酎の輸出が緒に就いた。今年はこれまで以上に期待が大きい。

 -みやざき観光コンベンション協会の会長も兼務する。宮崎をどう発信するか。

 「人がよい」「優しい」という県民性は全国に知れ渡っている。本県には牛、鶏、果物、本格焼酎など、生産量でも味でも“日本一”の称号を持つ食材が山のようにある。「宮崎の食は日本一」と県民一人一人が自信を持って、恥ずかしがらずに発信するような文化をつくりたい。

 -20年の東京五輪・パラリンピックや26年の本県開催予定の2巡目国体に向けた準備も進む。

 本県の場合、食と医療を融合させたスポーツ環境づくりを進めるべきだ。宮崎大医学部のスポーツ選手向けの医療技術は非常に高い。プロ、アマ問わず、外国人選手も利用できるような世界最先端のスポーツ医療施設を整備し、アスリートの体づくりをサポートする食事まで提案できる体制を築かなければいけない。
(巣山貴行)

宮崎銀行・平野亘也頭取

省力化へ投資の好機
 -今年の県内経済は。

 回復基調から緩やかな成長路線に乗るのではないか。世界経済は欧米を中心に好調で、日本経済は東京五輪まで設備投資が活発。訪日外国人客も増え続けるだろう。ただし北朝鮮などの地政学リスクがある。国内は自然災害。ここ数年、地震や台風が地域経済に大きな影響を与えている。それを除けば安定的に推移すると見ている。

 日機装やキヤノンの大型投資で地元企業への経済効果も期待される。人手不足の懸念はあるが、省力化へ投資するチャンス。低金利時代だし、企業は優遇税制などをうまく活用する時だ。

 -地方創生にはどう取り組む。

 若者や女性の活躍支援、国際化など地方創生に資する取り組みへの投資を継続したい。昨年設立した農業法人はアボカドの次の作物に挑戦する。宮崎大と共催したビジネスコンテストは盛況。学生のアイデアを事業化できるよう育てたい。取引先からは海外進出支援の依頼が増えている。1月には入行3年目の総合職全員が香港と台湾で海外研修を受ける。若いうちから国際感覚を磨き、地域や取引先をどう成長させるかという視点を持つことが大事だからだ。

 -銀行業界では「フィンテック」による収益力強化の取り組みが加速している。

 スマートフォン決済などITを使ったサービスがすぐに収益につながるとは思ってないが、これまで接点が少なかった顧客とのチャンネル拡大へ金融インフラの整備を進める。地銀の強みは顧客との距離の近さ。今後もビジネスマッチングや住宅ローンなど、きめ細かなサービスを提供する中で収益の機会を膨らませていく。メガバンクとは異なる地銀としての土俵を持つことが重要だ。
(久保野剛)

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