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2019年10月18日(金)
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みやざき経済Eye ジェットスター成田線就航

2017/12/22

既存羽田線と競合 需給バランスに影響も 

 格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン(千葉県、片岡優社長)が21日、本県初となる宮崎-成田線に就航した。同社は年間約11万人の搭乗客数を見込んでおり、交流人口の増加による観光振興への効果が期待される。一方、近接する宮崎-羽田線の搭乗客数の減少は不可避と見られ、航空各社は動向を注視している。

既存羽田線と競合 需給バランスに影響も


宮崎-成田線就航を祝い、搭乗客に記念品を手渡すジェットスター・ジャパンの片岡優社長(中央)=21日午後、宮崎市・宮崎ブーゲンビリア空港

 格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン(千葉県、片岡優社長)が21日、本県初となる宮崎-成田線に就航した。同社は年間約11万人の搭乗客数を見込んでおり、交流人口の増加による観光振興への効果が期待される。一方、近接する宮崎-羽田線の搭乗客数の減少は不可避と見られ、航空各社は動向を注視している。

 ジェットスターは「常に低価格」を掲げ、片道最安5990円に設定している。国内LCCで最多の21機を保有し、1日110便以上を運航。2016年の国内シェアは50%を超え、国内LCC4社のトップに君臨する。また、19年までに28機体制に増強する計画もあり、路線拡大に意欲的だ。

 九州では福岡、鹿児島、大分、熊本に成田線を展開。このうち、鹿児島は羽田線に大手2社と中堅航空会社のソラシドエア(宮崎市)、スカイマーク(東京都)の4社がひしめき合う。破綻から経営再建を目指すスカイマークが大手、中堅に低価格の攻勢をかけ、ジェットスターもさらなる低価格で仕掛ける構図で、価格競争と供給過多の状態は熱を増し、身を削る戦いは続く。

 ソラシドエアは「低価格には追随しない」とサービスで対抗していたが、17年3月期の鹿児島-羽田線の搭乗率は55・4%と、同社の全路線平均を約10ポイントも下回った。しかし、今年9月に同路線開設10周年を記念した低価格運賃を打ち出したことで、17年4~9月期は64・8%へと一気に上昇。価格競争で“低価格慣れ”した搭乗客にようやく受け入れられた形となった。

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 県内初のLCCとして15年8月に宮崎-関西線に就航したピーチ・アビエーション(大阪府)も、鹿児島と同様に既存の宮崎-伊丹線の他社の実績に強いインパクトを与えている。

 ピーチの関西線は、16年度は搭乗率84・4%、搭乗客数は11万1204人となった。その裏で、宮崎-伊丹線は搭乗客を奪われ、同年度の搭乗客数は前年度比2万2703人減の53万4351人、搭乗率は5・4ポイント減の66・0%に落ち込んだ。

 ピーチの躍進の背景には、県などによる手厚い誘客支援がある。観光パンフレットを全路線の座席ポケットに入れたり、大阪の出版社や飲食店とのコラボ企画を実施したり、路線維持と増便を目的に強いてこ入れを行った。

 今回のジェットスター就航も県が誘致活動に力を入れ、さらに11月議会では就航の初期経費やPR経費の支援として600万円を予算化した。他社の間には既存路線を維持してきたという自負や営業努力を重ねてきた経緯もあり、「県はLCCにだけゲタを履かせるのか」との不満もくすぶる。

 この中でも宮崎-羽田線を「経営の根幹」と位置付けるソラシドエアの受け止め方は特に深刻だ。同社は同路線を九州・沖縄の10路線で最も多い1日7往復就航させており、同社幹部は「ジェットスター就航後は需給バランスを分析して(便数を)見直す必要も出てくるかもしれない」と減便をほのめかす。

 ただ、国内の航空業界はLCCを中心に機長の人手不足で欠航や運休が相次いでおり、県内の航空関係者は「LCC各社がどのように路線展開をするのか注視が必要」と冷静に見守っている。

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