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2018年10月23日(火)
紙面県内経済

拓け!海外市場~ドイツ発 EUへ輸出

2017/12/02
現地の展示会参加を

 欧州大陸には全部で何カ国あるか、ご存知ですか。答えは50カ国。ロシアなど旧東側諸国も含まれているので、意外と国数が多いのです。このうち欧州連合(EU)には現在28カ国が加盟しています。この中には昨年からBrexit(EUからの脱退)で話題の英国も含まれています。

ドイツのケルンで開催されたアヌーガの日本パビリオンの様子

 日本からの農林水産物・食品の輸出額の内訳を地域別に見ると、2016年度の7502億円のうちアジアが73・8%(5539億円)で、北米が15・3%(1149億円)。これだけで全体の約90%になります。残念ながら欧州は6・5%(486億円)、さらにEUは5・6%(423億円)にすぎません。(農林水産省の統計より)

 EUへの食品輸出には、いくつかのハードルがあります。牛肉を除く肉類、卵、牛乳の含まれたものは基本的に輸出できません。輸出するためには、製品の安全を確保する衛生管理手法であるHACCP(ハサップ)と呼ばれる基準をクリアすることなどが必要で、認証には手間とコストがかかります。

 添加物に関しては、例えば日本で使用可能なクチナシ色素、紅麹(こうじ)などが認められていないため、輸出可能な商品が限定されます。

 しかし、欧州全体を俯瞰(ふかん)すると日本食はどの国でも着実に増えており、ほとんど全ての日本食輸入業者が売り上げを伸ばしています。農水省によると、欧州には日本食レストランが現在約1万2千店あり、これは15年に比べて約2割増となっています。

 その一方、日本産の日本食材よりも安価な中国産や韓国産、タイ産などの日本食材が急激に伸びています。せっかくの日本食ブームの恩恵を本家の日本産食品が享受できていない状況は大変残念なことです。

 メーカー側からすると「良いものを作れば売れるだろう」という気持ちがあるのかもしれませんが、それだけでは不十分です。欧州は狭いところに数多くの国がひしめいており、それぞれの国に言語や食文化があり、好みも異なります。ターゲットとなる国・地域の細かなマーケティングが欠かせません。

 そのようなマーケティングの機会の一つが食品展示会です。欧州では世界最大級の食品展示会が毎年10月にあり、偶数年はフランス・パリでSIAL(シアル)、奇数年はドイツ・ケルンでANUGA(アヌーガ)が開催されます。昨年のシアルには本県からゆず加工品と漬物を扱う2社が、今年のアヌーガには黒にんにくを扱う企業1社が出展しました。

 出展した企業はいずれも、現地での反応や今後の取引に手応えを感じたようです。海外の展示会に出展するのは大変なことですが、各国のバイヤーと貴重な取引の機会を得られることから、結果的には成功への近道ではないかと考えます。

 来年以降もさまざまな出展機会があります。輸出に取り組む県内企業の皆さま、ぜひ奮ってご参加ください。
(県輸出促進コーディネーター・西岡宏)=第1土曜日掲載=

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