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2018年10月23日(火)
紙面県内経済

人手不足時代を生きる 第1部(2)労働力

2017/11/29
減少加速 成長に制約

 宮崎市にある県内最大の商業施設「イオンモール宮崎」。来春の大幅増床に向け、着々と建設工事が進む現場で今年9月、県立工業高2校の生徒と県産業開発青年隊のメンバーを対象にした見学会が開かれた。

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 県内業者でつくる建設業魅力発信実行委員会(約40社)が、実際の現場を見て建設業に関心を持ってもらおうと企画した。背景には若手の入職者不足がある。県内高校にある七つの土木、建築系学科を今春卒業した184人のうち、県内の建設業者に就職したのはわずか47人。将来を担う人材が圧倒的に足りていないのが現状だ。

 若い人材の不足は県全体の課題となっている。新規高卒者の県内就職率は12年連続で50%台と低迷。高卒で就職する人の半数近くが、県外に流出している。

 本県の人口は1995年の117万5819人がピーク。2015年までの20年間で6・2%減少し、110万4069人となっている。1年当たり約3500人減っている計算で、その減少ペースは年を追うごとに加速している。

 これに比例して、労働力人口(15~64歳)も減少している。国勢調査に基づく「就業状態等基本集計」によると、15年の本県の労働力人口は54万4236人。20年前の調査から6万4千人以上も減っている。

 労働力人口に学生や働く意思のない人を加えた生産年齢人口には将来推計がある。国立社会保障・人口問題研究所によると、本県は15年から40年にかけて4分の1以上も減少すると予測されており、このままでは人手不足は深刻さを増すことが確実視される。

 一方、緩やかな景気回復を背景に企業の採用意欲は旺盛で、有効求人倍率は高止まりしている。県内ではバブル期の1991年度に1・09倍を記録。それ以降は低迷を続け、0・4~0・8倍で推移してきた。
 リーマンショック直後の2009年度は0・39倍まで落ち込んだが、それ以降は右肩上がりで、16年度は1・27倍、17年7月には過去最高となる1・44倍を記録。直近9月も1・39倍とバブル期を大きく上回る水準が続く。

 日銀宮崎事務所の宮阪隆彦所長は人手不足の影響について「これまで県内の企業にとって、人手不足は成長制約になっていなかった。今後は業務プロセスの見直しや潜在人材の掘り起こしなどの対策が急務」と指摘。「十分な人材確保ができない企業は、経営戦略の見直しが迫られる時代を迎える」と警鐘を鳴らす。

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