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2018年7月21日(土)
紙面県内経済

鹿児島銀行・上村頭取インタビュー

2017/11/22

 鹿児島銀行(鹿児島市)は2017年9月中間決算で本県での貸出金残高を4187億円とし、宮崎銀行に次ぎ県内2位に浮上した。低金利環境やマイナス金利により利ざやが縮小する中、量的拡大による収益確保を図る動きは続く。経営方針や新たなビジネスモデル構築の可能性について上村基宏頭取に聞いた。(聞き手 経済部次長・巣山貴行)

県内でのシェア拡大と経営方針について語る鹿児島銀行の上村基宏頭取=20日、鹿児島市

 鹿児島銀行(鹿児島市)は2017年9月中間決算で本県での貸出金残高を4187億円とし、宮崎銀行に次ぎ県内2位に浮上した。低金利環境やマイナス金利により利ざやが縮小する中、量的拡大による収益確保を図る動きは続く。経営方針や新たなビジネスモデル構築の可能性について上村基宏頭取に聞いた。(聞き手 経済部次長・巣山貴行)

 -県内金融機関で2番目の貸出金残高とした。

 この数年でお客さまから認めてもらえたことで、新規融資や肩代わり(借り換え)があったと捉えている。低金利環境もあったが、行員が工夫をしたり、足しげく顧客を訪ねたりした成果でもある。

 県内での貸出金残高のシェアは15%台になった。これまでがむしゃらにやってきたが、地に足をつけて落ち着いて行動しなければならない時期に入っている。

 いいライバル行がいることで、切磋琢磨(せっさたくま)して、お客さまへのサービスの質が上がっている。また、シェアを取ろうとすると、独りよがりになりがち。お客さまにどう向き合っていくかを忘れなければ、次の目標となる20%への到達はそれほど難しいことではない。

 -シェア拡大に向けてどの分野を伸ばすか。来年1月には宮崎市南町に南宮崎支店も開設する。

 個人客の生活の実態に合わせた商品を提案しなければならない。約1万2千社ある法人の取引先には、個別の提案を行っている。しかし、個人客には、一般向けの商品を売るだけだった。個人客にも法人のように対応しなければいけない。

 家庭には子どもの成長や進学など、貯蓄や資金が必要な場面がある。そういった家庭背景を含めた「ワンtoワン」の商品を提案したい。手間もコストもかかるがIT化により省力化される。1、2年以内に実現させる。

 南宮崎支店では個人客に特化する。人員は当面、宮崎支店から派遣するので大きな人員増とはならないだろう。また、相続や遺言信託など信託業務の免許取得も目指す。大きな収益にはならないが、少子高齢化が進む中で、顧客サービスのために持っておかなければいけない。

 -低金利環境の中で、貸出金残高のボリュームを増やす戦略はいつまで続くのか。

 物価上昇率が2%になったら、金利もそこに追い付くかもしれない。しかし、かつてのように金利が5%や10%となることは絶対にない。高度経済成長もあり得ない中で、金融というカテゴリーに光明が差すこともないだろう。

 だからこそ、ボリュームで稼いでおかなければいけない。少ないボリュームだと利ざやも少ない。経営に余裕がないと地元への投資も融資もできなくなる。人も雇えなくなる。地域と共存するためには人、物、金を投入しなければいけない。その先に共栄がある。地銀にとって地域との共存共栄が使命であり、役目でもある。

 かみむら・もとひろ 慶応大商学部卒。1975(昭和50)年入行。取締役業務統括部長、常務取締役を経て2010年から現職。鹿児島、肥後銀行の持ち株会社の九州フィナンシャルグループ(FG、熊本市)社長も兼務する。鹿児島市出身。

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