みやビズ

2018年9月26日(水)
紙面県内経済

販路を拓く・県産焼酎日本一(中)

2017/09/16
 2016酒造年度(16年7月~17年6月)の本格焼酎出荷量で、本県は前年度から5・1%伸び、全国シェアでは初めて30%台に乗った。一方、国内全体の出荷量は0・5%減で06酒造年度をピークに減少が続く。酒類全体の国内市場に目を移しても、人口減少や若者のアルコール離れなどで縮小傾向にある。20170915-1505473572-1.jpg

国内 東日本に“のびしろ”

東京・銀座のレストランで2月に開かれた「焼酎ノンジョルノ宮崎in東京」

国内 東日本に“のびしろ”

 2016酒造年度(16年7月~17年6月)の本格焼酎出荷量で、本県は前年度から5・1%伸び、全国シェアでは初めて30%台に乗った。一方、国内全体の出荷量は0・5%減で06酒造年度をピークに減少が続く。酒類全体の国内市場に目を移しても、人口減少や若者のアルコール離れなどで縮小傾向にある。

 ただ、焼酎には地域的な“のびしろ”がある。そこを目掛け、酒造メーカー38社で構成する県酒造組合(渡邊眞一郎会長)と県は販路開拓を加速させる。ターゲットは東日本。国税庁統計(15年度)では、本格焼酎の消費量が日本酒を上回るのは西日本12県だけ。焼酎文化が根付いていない東日本に消費拡大の可能性があると判断した。

 東日本で定着を図るには、まずは首都圏の攻略。県は今年2月、東京・銀座のレストランで「焼酎ノンジョルノ宮崎in東京」を開催。宮崎牛やキャビアなど厳選した県産食材を使った料理と県産焼酎のマリアージュ(好相性)で、訪れた340人を喜ばせた。同組合は県に先行し、「東京プラス1都市」の年間2会場で試飲会を開いている。

 業界の雄、霧島酒造(都城市)も東日本に切り込む。管轄する東京支店では営業人員を毎年増員。首都圏はもちろん、東北などエリアごとに担当を配置し、販路拡大を進める。こうした成長戦略が奏功し、16年度の本格焼酎の売上高は673億3300万円となり過去最高を更新した。

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 霧島酒造は、帝国データバンク福岡支店が8月に発表した「全国の焼酎・泡盛メーカー16年売上高ランキング」では5年連続の1位。県内では雲海酒造(宮崎市)が3位で続いた。しかし、50位内に入った県勢は両社を含めて5社だけ。鹿児島県の21社とは大きな開きがある。

 これは、中堅メーカーが少ないことを意味する。本県の焼酎業界の構造的な課題であり、渡邊会長も「県内に日本一の企業はあるが、大消費地で知名度のあるブランドは少ない。一大産地として認められ、足腰の強い産業とするためには中堅メーカーの育成が不可欠」と考える。

 本県の焼酎は芋、麦、そば、米と原料が多彩であり、個性あふれる銘柄がそろう。これは大きな魅力であり、中小メーカーを抜きにしては成立しないものだ。

 「焼酎ノンジョルノ宮崎in東京」には、29もの蔵元が100種類以上の焼酎を提供。来場者に本県焼酎の多様性、層の厚さを伝えられた意義は大きい。県は本年度も同様のイベントやフェアを首都圏で開き、浸透を図る。

 渡邊会長は日本一として注目される今を好機と捉え、「良い影響が中小の蔵元に波及するよう、官民一体となった情報発信に努め、ブランド確立につなげたい」と語る。

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