みやビズ

2018年4月23日(月)
紙面県内経済

高評価な男性下着 TOOT宮崎工場

2017/04/19

 男性用高級下着ブランドTOOT(トゥート、東京)の宮崎工場(日向市)の高い縫製技術が国内外で高い評価を得ている。商品は立体裁断や縫い目が肌に当たらない仕上がりで、品切れが相次ぐほどの人気だ。海外販路も拡大する方針で、ブランドを下支えする従業員たちのやりがいや使命感も高まっている。

 主力商品はパンツ。フロント部分の立体裁断とファッション性の高いデザインや色使いが特徴。1着4千円前後からの高級下着に分類されるが、東京都内の高級デパートやインターネットで販売すると即完売するという。

TOOTの高級下着製造を支える地元の縫製技術=日向市の同社宮崎工場

 男性用高級下着ブランドTOOT(トゥート、東京)の宮崎工場(日向市)の高い縫製技術が国内外で高い評価を得ている。商品は立体裁断や縫い目が肌に当たらない仕上がりで、品切れが相次ぐほどの人気だ。海外販路も拡大する方針で、ブランドを下支えする従業員たちのやりがいや使命感も高まっている。

 主力商品はパンツ。フロント部分の立体裁断とファッション性の高いデザインや色使いが特徴。1着4千円前後からの高級下着に分類されるが、東京都内の高級デパートやインターネットで販売すると即完売するという。

 人気を持続させている理由の一つが週1回ペースで新作を、週2、3回ペースで新色を発売することだ。枡野恵也社長は「飽きない仕掛けをファンが楽しんでくれている」と分析する。従業員33人という工場規模と充実したスキルを生かし、機動的な商品展開を仕掛けられるたまものだという。

 国内だけでなく、海外9カ国のデパートなどでも販売し、海外でも知名度が高まっている。今後、欧州を中心にさらなる販路拡大を目指しており、枡野社長は海外の市場規模について、「国内と同規模の売り上げを出せそうだ」と期待を込める。

■     □

 同社は2000年から宮崎工場の前身となる同市内の縫製会社に全商品の製造を委託していた。この縫製会社は主要取引先だった国内大手下着メーカーの受注額が減少したことで経営が悪化。廃業を決めたことから、TOOTは15年に工場を取得し、自社工場とすることを決めた。

 取得の理由について枡野社長は「工場にはデザイナーの難しい注文を実現できるスキルがあり、17年かけて磨き上げた技術力を流出させたくなかった」と振り返る。

 思い切った決断は、従業員の心に変化を生み出した。縫製会社時代から働いてきた上原譲二宮崎工場代表は「やりがいが高まり、誇りを持って仕事ができるようになった」と明かす。

 例えば、縫い止めや太もも回りの仕上げ、そしてフロント部分に立体感を出すための縫い方など、気付かない部分に多くの工夫が詰まっており、上原代表は「縫製の常識を打ち破る仕事の連続」と話す。同時に「目が肥えたお客さまへ完成度の高い商品を届けなければならない」との使命感が原動力になるという。

■     □

 宮崎工場が順調に稼働していた昨年5月、大きな課題にぶつかった。「地元日向で認知度がほぼなかった」(枡野社長)ことだ。公的機関で求人を実施したが、1人しか応募がなかった。

 枡野社長は「ものづくりが大事と言いながら、地元へ貢献してこなかったことを思い知らされた」と反省を込める。それ以降、ブランドイメージに「メードイン日向」を加え、自社ホームページに宮崎工場で縫製する場面を掲載。日向から世界へ打って出るビジョンを前面に打ち出した。

 この結果、昨年12月~今年2月の求人では10人が応募。枡野社長は「やりがいやビジョンを伝えることができた成果」と語る。また、日向市のふるさと納税の返礼品にも選ばれ、5月から限定100枚でパンツを提供することが決まるなど、地元での存在感を急速に増している。

 国内企業が製造拠点を海外へ移したことで、多くの下請け工場が姿を消した。枡野社長は「時代の流れは大量生産から多様性へと向かっている。高い技術を持つ国内の製造業が復活する方策が宮崎工場にあることを示したい」と力を込めた。

 
(巣山貴行)=随時掲載=
 

アクセスランキング

ピックアップ