みやビズ

2018年5月21日(月)
紙面県内経済

経営基盤強化へ先手 宮崎、都城信金合併【解説】

2017/03/18

 「寝耳に水」。多くの関係者が宮崎、都城信用金庫の合併劇をそう表現する。両金庫とも財務内容は健全であり、当面は独立した経営が可能と思われていたからだ。ところが、宮崎信金の増森幸一理事長は記者会見の席で「当然の流れ」と述べた。この言葉からは、今のうちに経営基盤の強化を図らねば手遅れになるという極めて深刻な「信金の未来図」が透けて見える。

合併へ基本合意し、握手を交わす宮崎信用金庫の増森幸一理事長(右)と都城信用金庫の櫻田博文理事長=17日午後、宮崎市

 「寝耳に水」。多くの関係者が宮崎、都城信用金庫の合併劇をそう表現する。両金庫とも財務内容は健全であり、当面は独立した経営が可能と思われていたからだ。ところが、宮崎信金の増森幸一理事長は記者会見の席で「当然の流れ」と述べた。この言葉からは、今のうちに経営基盤の強化を図らねば手遅れになるという極めて深刻な「信金の未来図」が透けて見える。

 地域金融機関は人口減少に伴う市場の縮小に加え、低金利によって収益環境が悪化しており、全国的に地銀再編の動きが進む。さらに本県では、宮崎銀行と鹿児島銀行の金利競争のあおりを信金が受ける構図となっている。

 県内では、低金利による利ざやの縮小を貸出金のボリューム増で補う顧客争奪戦が展開されているが、いずれ限界が訪れる。金融庁も持続可能なビジネスモデルへの転換を全国の地域金融機関に求めている。そのための環境整備につながる合併だけに、金融当局は好意的に受け止めている。

 ただ、規模が大きくなったとはいえ、地銀とは比ぶべくもない。店舗数も維持されるため、どの程度のスケールメリット、経営の効率化を生み出せるかが注目される。

 言うまでもなく、合併は手段であって目的ではない。地域に密着した金融機関として、合併効果をどのような形で地域経済の活性化につなげるかが問われている。顧客ニーズを細かに拾い上げ、提案力を発揮し、必要であればリスクを取って融資する…。金利以外の価値を顧客に示すことができなければ信金の未来は変わらない。(小川祐司)

アクセスランキング

ピックアップ