みやビズ

2018年4月24日(火)
紙面県内経済

外貨獲得どう拓く【1】縮む市場

2017/02/16
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潜在力を「稼ぐ力」に

 「畜産業界の市場は小さくなっている」。畜産資材の総合メーカー・新原産業(三股町)の新原弘二社長は、そう感じている。ただ、そうした状況下でも業績を伸ばし続ける同社。1976(昭和51)年の創業以来、大手メーカーが対応できない現場の細かなニーズを捉え、それに応える商品開発やサービス提供を徹底する経営戦略が成長を支えている。

潜在力を「稼ぐ力」に

 「畜産業界の市場は小さくなっている」。畜産資材の総合メーカー・新原産業(三股町)の新原弘二社長は、そう感じている。ただ、そうした状況下でも業績を伸ばし続ける同社。1976(昭和51)年の創業以来、大手メーカーが対応できない現場の細かなニーズを捉え、それに応える商品開発やサービス提供を徹底する経営戦略が成長を支えている。

 好業績を生み出す要因はもう一つある。いち早く県外の販路開拓に力を入れたことだ。その成功のためにマーケティングや情報収集、人材育成などに総合的に取り組む。現在、畜舎建設に使う特注の厚物ステンレス加工などができる新工場を建設しているのも、全国での取引拡大を見据えたものだ。

 新原社長は「安定した経営を続けるため、県外の需要を取り込む努力が求められている。それは畜産関連だけでなく、さまざまな業界に言えることではないだろうか」と話す。

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 経営の安定や持続のため、なぜ県外需要を取り込む必要があるのか。

 20年間で本県人口は8万人も減った-。昨年4月、この報道に県内がざわついた。1996年の117万7407人をピークに減少局面に入り、2016年4月の推計でついに110万人を割り込んだ。

 さらに衝撃的な推計がある。国立社会保障・人口問題研究所によると、本県人口は20年に107万3千人、25年に103万3千人、30年には100万人を割り込み99万1千人、35年は94万7千人にまで減るという。05年からの30年間で減少する20万6千人という数字は、現在の都城、小林市の合計人口に匹敵する。それだけの需要、市場が失われるということだ。

 人口減少に高齢化が重なり、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少が進む。生産と消費の中核を担う同人口が減り続ければ、人手不足や消費減少による企業活動の縮小を招き、雇用環境の悪化やこれに伴う人口流出といった悪循環に陥りかねない。どうすれば県内総生産3兆6千億円(名目、13年度)や民間最終消費支出2兆2500億円(13年度)といった経済規模を維持できるのか。

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 重要となるのが、市場を県外と海外に求める外貨獲得の拡大。これによって県内市場の縮小分を補うという発想だ。

 その点を著書「外貨を稼ぎ循環をおこす~111万人の経済浮揚 ここが勘どころ」で強く訴える県産業振興機構副理事長の緒方哲氏は、こう警鐘を鳴らす。「本県は経済を成長、維持させるポテンシャルを持ちながら現状は生かし切れていない。外貨をより多く取り込むため、いかに『稼ぐ力』を伸ばすかが宮崎のこれからを左右する」

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 人口減少時代を迎え、県内経済の好循環を実現するには何が必要かを考える本シリーズ第2部では、県内企業の海外展開を取材した第1部と視点を変え、県内における企業の取り組みなどを通じて外貨獲得の課題、ヒントを探る。

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