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2018年5月24日(木)
紙面県内経済

養豚業への融資強化 宮銀、県畜産協と協定へ

2017/02/15
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 宮崎銀行は今月中に県畜産協会と協定を結び、畜産向けの動産・債権担保融資(ABL)の新たな仕組みを構築する。同協会の専門的な分析と客観的な評価を組み込んだスキーム。これによって、融資後に担保価値が維持されているかの確認が難しい養豚業へのABLに踏み切りやすくなる。まずは全国有数の出荷規模を持つ養豚業「はざま牧場」(都城市)に対してスキームを適用する。養豚業へのABLは同行初。

 畜産ABLは家畜を担保とする。養豚業の場合、農場の母豚に加え、いずれ出荷される子豚・肥育豚も対象となる。出荷されても同じ頭数、品質の子豚・肥育豚が新たに生産され、農場に存在し続けることで担保価値は維持される。牛の飼育規模であれば、人の目によって担保価値を確認できるが、豚は飼育頭数が非常に多く、出産・出荷サイクルも早いため「飼育管理データ」で確認せざるを得ない。

 同データは母豚1腹(1頭1出産)当たりの総産子数や離乳率、離乳後の事故率、肉豚要求率(体重を1キロ増やすために要した餌の量)などで構成され、生産状況を把握できる。従来は同行がデータを分析し、資産価値の維持を確認する仕組みだった。一方、新スキームでは専門性と公益性を備えた同協会が担保価値の低下を防ぐ監視と、公正な価値評価を担うことでABLの安定性や客観性を高める。

 具体的には、同行が中央畜産会(東京)の評価手法に基づき担保価値を決定し、融資を実行。融資先は同行に毎月、同協会には3カ月ごとに同データを提出する。同協会は例えば、母豚の更新や種付け、体形管理などが適切に行われているかをチェック。担保価値の維持につながるこれらの検証結果を同行に報告すると同時に、必要に応じて生産性の改善を融資先に助言する。

 融資先は自らの経営を見直す契機となり、生産性の向上など副次的な効果が期待できる。この仕組みは牛の繁殖・肥育にも活用する。同データが未整備または内容が不十分な畜産業者にABLを行う場合は、同協会が業者にデータ作成を指導する。

 はざま牧場は都城市を中心に20農場を展開。母豚5千頭を飼育し、年間11万頭を出荷する。今回のABLは11億円の所要運転資金向け。母豚と5万5千頭の子豚・肥育豚、売掛金を担保とする。同行審査部は「新たなスキームによって養豚業者は資金の安定調達が可能になる。畜産県なので活用の裾野が広がれば、地域活性化にもつながる」としている。

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