みやビズ

2018年6月23日(土)
紙面県内経済

経済展望2017 県内トップインタビュー(4)

2017/01/12
 景気の緩やかな回復基調が続くとの予想がある一方、先行きに不透明感も漂う2017年。本県を代表する経済人に展望や経営戦略を聞いた。
 景気の緩やかな回復基調が続くとの予想がある一方、先行きに不透明感も漂う2017年。本県を代表する経済人に展望や経営戦略を聞いた。

宮崎山形屋・山下隆幸社長

100周年で原点に返る
宮崎山形屋・山下隆幸社長
  -今年の経営環境をどう見る。

 楽観はできないが、決して悲観もしていない。昨年を振り返ると、経営環境が持ち直したとまではいかないが、少し落ち着いた。個人消費は下げ止まった感があり、今年もその状態が続くだろう。一方で、旅行や健康づくりといった「コト」への消費が増えており、私たち小売業もワクワク、ドキドキするようなことをやらないと、足を運んでもらえない。

 -そのために注力する取り組みや営業戦略は。

 山形屋グループは今年で設立100周年。この節目にもう一度、原点に返る。「誰に・何を・どのように(売るのか)」が私たちの基本であり、ここを磨き上げる。お客さま像を明らかにし、お客さまが期待する信頼できる上質な商品を提案・提供する。そこにはマーケティング力の発揮や自社の優れた商品調達力の活用、膨大な顧客情報に基づいた効果的なアプローチ、分かりやすい提案力といったものが求められる。加えて、本館、新館の2万平方メートルの売り場を魅力的な買い物空間へと刷新する改装もさらに進める。ギフトショップも県内8カ所のうち3カ所を移転・新築して利便性を高めており、残る5カ所についてもお客さまの満足度を検証していく。

 -月末の金曜日に仕事を早く終えてもらうことで消費を喚起する「プレミアムフライデー」が政府主導で2月に始まる。

 私たちとしては歓迎。安売りをするのではなく、お客さまに喜んでいただけるイベントをそこに当てたい。例えば、ミニコンサートを開き、ご家族で訪れてもらい、その後に夕食を楽しんでいただく。飲食店をはじめとする周辺への波及効果、中心市街地活性化も期待できる。月末の金曜日に仕事を早く終えられる職場が地方にどれだけあるのかは未知数だが、定着を望みたい。

WASHハウス・児玉康孝社長

成長へ海外展開重要
WASHハウス・児玉康孝社長
 -2017年の戦略は。

 昨年は東京証券取引所と福岡証券取引所に上場するという変革の年だった。ありがたいことに市場の期待は大きく、株価は公募価格を割ることなく順調に推移している。当社の業績に対する評価にとどまらず、コインランドリー事業を運営する上でのビジネスモデルが評価されていると思っている。

 上場した以上、株主にとって価値ある企業にしなければならない。今年はその正念場となる年で、温めていた構想を具体的に実行に移していく。直近1年で30人ほど採用したが、事業拡大に伴って雇用もさらに必要となるし、店舗網の拡大も急務だ。

 -海外展開をどう考える。

 人口減少が進む国内だけで勝負しようとしても、限界はいつかきてしまう。一方で、洗濯をしない国はどこを探してもなく、世界中に可能性が広がっている。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、自宅に洗濯機を置くことがあまりない米国のコインランドリー市場は日本の5倍以上。また、日本企業が多く進出しているほか、東南アジアのハブ的な役割を果たすタイも魅力的な市場だ。市場規模の大きい地域に進出することは、企業価値を高め、成長するために重要と考える。

 -起業する若者が増えている。

 ベンチャー支援や地方創生に向けた取り組みが熱を帯びているが、その機運に乗れている企業が少ないように感じる。上場企業も少ないため、上場を目指そうという意識も醸成されていない。事業を興していく若い起業家にこそ上場を目指してほしい。高い目標があれば踏ん張れるし、私自身がそうだったように金融機関など地域も応援してくれる。本県がさらに勢いづく起爆剤となる企業が生まれることを期待したい。

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