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2018年6月24日(日)
紙面県内経済

経済展望2017 県内トップインタビュー(3)

2017/01/11
20170110-biz20170110top.jpg 景気の緩やかな回復基調が続くとの予想がある一方、先行きに不透明感も漂う2017年。本県を代表する経済人に展望や経営戦略を聞いた。
 景気の緩やかな回復基調が続くとの予想がある一方、先行きに不透明感も漂う2017年。本県を代表する経済人に展望や経営戦略を聞いた。

旭化成延岡支社・山添勝彦支社長

為替に左右されない
旭化成延岡支社・山添勝彦支社長
 -次期米大統領の経済政策への期待から円安基調が続いている。

 円安に振れることは輸出の比率が高い私たちのような企業にとってプラス。しかし、20日のトランプ政権発足後、政策がどのように推移していくのか見通せず、急激に円高となる可能性もゼロではない。ただ、為替の動きによって経営戦略を変えることはない。

 為替に左右されない経営体質の強化にはこれまでも取り組んでいる。海外での消費が多い製品は製造拠点の海外立地を進めてきた。また、エチレンセンターに関しては統合化で生産能力を縮小した結果、稼働率が向上した。それらの延長線上で今年も事業を展開し、新製品開発などを着々と進めていく。

 -伸びが期待される分野は。

 マテリアル、住宅、クリティカルケア(救命救急医療)などの分野に注力していく。クリティカルケア分野は買収した米企業が業績を伸ばしており、中期経営計画の柱の一つとなっている。

 「ものをつくる」だけでなく、今まで以上にマーケティングに力を入れていきたい。延岡市で生産を始めて80年以上となるベンベルグが、従来の背広の裏地という用途からインドやパキスタンの民族衣装、女性用インナーウエアなど幅広い用途に市場を広げたのもマーケティングの成果だ。

 -県工業会の会長として、本県に進出する精密機器メーカー・日機装(東京)に望むことは。

 雇用面だけでなく、設備の保守・点検に地元の企業を積極的に採用するなどの役割を担ってほしい。地元企業にとっては新たな技術力を身に付ける好機にもなる。県工業会の会員企業は従業員50人以下が8割を超すが、それぞれが強くなることで宮崎のものづくりの可能性は広がる。日機装にはぜひ、県工業会に入ってもらい、会員企業と常日頃の交流をしていっていただきたい。

霧島酒造・江夏拓三専務

若手育てる環境整備
霧島酒造・江夏拓三専務
 -今年の展望は。

 発売して2カ月の「霧島《宮崎限定》」がよく売れている。主力の「黒霧島」「白霧島」「赤霧島」も首都圏を中心に好調。今後も販売量は伸びるだろう。昨年は創業100周年で大型感謝キャンペーンなどを展開。緊張と充実の1年だった。老舗の仲間入りをしたが、霧島酒造の社員(約500人)の平均年齢は34歳。次の“世紀”への飛躍の年とするため、若手を育てる環境整備に力を入れる。商品開発や経営企画のノウハウはある。クリエーティブな発想につながる体験をさせたり、自主的な研究や企画のグループの立ち上げを促したりすれば、後は伸びていくと思う。

 -酒税法の改正で過度な安売りが規制される。酒税の一本化も。

 低価格は消費者に朗報だが、極端な安値は卸やメーカーの利益を奪う。品質や商品開発力の低下につながり、魅力を失った焼酎の消費はある日突然急落する。業界として焼酎の魅力、価値を高めていくことが必要。酒税の一本化は安い輸入ワインが国産ワインや清酒の商品力を弱めているからだろう。一本化でビール消費量が増せば、焼酎を含めたアルコール消費全体の呼び水になると思う。

 -市場の刺激策は。

 市場調査してからの商品開発は今や時代遅れ。消費者が望むものより「こういうものが受け入れられるだろう」と、少し先を想定することだ。一例がウイスキーの炭酸割りで、食後酒を食中酒に変えて需要を喚起した。メーカーが品薄で値上げしても売れている。新商品の卵はある。それをどう打ち出していくか。トップメーカーとして焼酎業界全体を引き上げていく気概が必要。また、レストランなどを併設する「霧島ファクトリーガーデン」が老朽化している。大改装で国内外から集客できるような施設にしたい。

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