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2018年5月22日(火)
紙面県内経済

経済展望2017 県内トップインタビュー(2)

2017/01/07
 景気の緩やかな回復基調が続くとの予想がある一方、先行きに不透明感も漂う2017年。本県を代表する経済人に展望や経営戦略を聞いた。

JA宮崎経済連・新森雄吾会長

全共3連覇至上命令
JA宮崎経済連・新森雄吾会長
 -経済連と本県農業にとって、どのような1年になるか。

 さらに厳しい経営環境となる。環太平洋連携協定(TPP)の発効は見通せなくなったが、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が進み、米国との2国間交渉も始まるかもしれない。関税撤廃率などはTPPで決まった数字が基準になるだろう。EUからの輸入では特にチーズなどの乳製品や豚肉が脅威になる。一方で、国の支援対策が強化されており、それらをうまく活用し農業振興を図りたい。また、今年は9月に全国和牛能力共進会(5年に1回)を控える。至上命令である3連覇を達成し、2020年東京五輪で多くの訪日客に宮崎牛が「日本一」であることをアピールしたい。

 -政府はJA全農の事業刷新を盛り込んだ農業改革方針を決定し、自己改革を強く求めている。

 改革とは自分たちが納得して自主的に進めないと効果は生まれない。宮崎では(1)事業の進化(2)事業の見える化(3)事業の最適化-を柱に、資材価格の引き下げや農産物の販売強化、6次産業化、輸出強化といった改革に取り組んできた。これに、全農が3月に示す改革の方向性を重ね、取り組みを加速させる。それによって魅力ある農業、もうかる農業を実現し、農家の信頼を勝ち取りたい。職員には組合員の声を拾うよう指示しており、それらも改革に反映させる。

 -宮崎牛のEU輸出に向け、ミヤチク都農工場の全面建て替えを計画している。

 先駆的な取り組みを続けてきた結果、日本から米国へ輸出している牛肉の半分近くを宮崎牛が占めるまでになった。EUに輸出するには認定を受ける必要があり、これに対応できる施設とする。EUには国内需要が減っている高級部位を輸出する考えだ。投資額は80億円で、国の補助事業などを活用する。
(小川祐司)

宮交ホールディングス・菊池克賴社長

商品開発し誘客促す
宮交ホールディングス・菊池克賴社長
 -2017年の経営戦略は。

 東京五輪開催まで3年となり、訪日外国人観光客数増加に向けた政府の取り組みはさらに加速している。本県だけでなく九州への旅行者を取り込むためにも、好機を逃さないよう旅行商品などで誘客を促していかなければならない。

 併せて、少子高齢化の影響を踏まえても成果が出るよう投資も行う。4月に営業開始予定の延岡市内の新拠点もその一つ。営業所や整備場を集約し、業務効率化を図る。宮崎市のニトリモール宮崎に続く不動産の有効活用策でもあり、天候や災害などのリスクに左右されない収益源にしたい。

 -熊本地震で落ち込んだ需要をどう取り戻す。

 国の観光振興策「九州ふっこう割」が昨年末に終了し、今年からは自力で需要を喚起していかねばならない。すでに都市部を中心に営業活動を展開しているほか、指定管理業務の受託や施設改修などを通して高千穂や青島、鵜戸神宮など県内の主要観光地での観光客受け入れ体制を整えている。

 すぐ収益増の効果が見込めるものではないが、観光客を呼び戻すための下支えになる。熊本地震からの本格的な復興は今年が正念場。国内外から九州、宮崎に足を運んでもらえるよう魅力を発信していくのが私たちの役目だ。

 -人手不足が各業種で深刻だ。

 宮交グループも今の事業を維持・発展させていくためには人材確保が喫緊の課題。特にバス運転手は厳しく、昨年から高校新卒者や女性を積極的に採用し始めた。短時間勤務制度を導入し、多様な働き方を提案することで好感触を得ている。来年1月の配偶者控除見直しを控え、今年はこれまで働いていなかった層にアピールするチャンスの年。制度に加えて施設面の充実を図り、売り手市場においても選ばれる企業になれるよう努めたい。
(西村公美)

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