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2018年9月25日(火)
紙面県内経済

海外展開に挑む5 つなぐ人材

2016/11/05

 海外との経済交流を活発化するには、企業同士の国境を越えた良好な関係は欠かせない。それを築けるのは機械でもシステムでもなく、人だ。自身の古里、もしくは第二の古里の実情を知り、相手国の文化や事情に理解を示した上でコミュニケーションを取り、事業を推進する-。そんな人材を育成するという先を見据えた取り組みが県内でも進められている。

「トビタテ! 留学JAPAN日本代表プログラム『地域人材コース』」の出発式で、目標を語る大学生たち。宮崎に新しい視点をもたらすことが期待される

留学体験 地域に還元

 海外との経済交流を活発化するには、企業同士の国境を越えた良好な関係は欠かせない。それを築けるのは機械でもシステムでもなく、人だ。自身の古里、もしくは第二の古里の実情を知り、相手国の文化や事情に理解を示した上でコミュニケーションを取り、事業を推進する-。そんな人材を育成するという先を見据えた取り組みが県内でも進められている。

 海外留学を通して大学生や高校生に国際的な視点を養ってもらう文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」。同プログラム5コースのうち、本県では県や宮崎大などの教育機関、民間企業など30機関・団体でつくる「みやざきグローカル人材育成協議会」(代表・池ノ上克宮崎大学長)が主体となって「地域人材コース」を推進する。グローバル化を促す地域密着型のリーダー候補育成が狙いだ。

 本年度は、宮崎大や宮崎国際大の学生7人が観光、起業、IT、フードビジネスの4分野で取り組む。県内企業で1、2カ月間のインターンシップ(就業体験)を経て、ミャンマーや台湾などで3カ月~1年間の語学学習や実地体験。帰国後、県内企業で成果を試す。

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 同プログラムに参加している沖縄・名桜大3年の佐藤孝亮さん=宮崎市出身=は高千穂町でのインターンシップを経て、いま台湾にいる。大規模な震災があっても観光地として見事に復興した台湾に学び、熊本地震の影響が色濃い観光地・高千穂の役に立ちたいと思いは熱い。具体的な目標は「高千穂町を『新婚旅行のメッカ』にする」。

 台湾でツアーの組み方など必要な知識を身に付け、台湾観光業界との“つなぎ役”となり、帰国後に高千穂町での新婚旅行モニターツアーの実施を計画する。明確にターゲットを絞り、本県に台湾人観光客を誘致するプランだ。

 宮崎大地域資源創成学部講師でインターンシップ・コーディネーターの桑畑夏生さんは「理想と現実の間で壁にぶつかることもあるだろうが、試行錯誤の中で成長してほしい」とエールを送る。

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 教育情報サービス(宮崎市)の荻野次信社長は「海外と地域をつなぐ人材」の必要性を感じる中で、同プログラム支援に名乗りを上げた。

 自社の教育関連ソフトを使い、モンゴルやフィリピン、ケニアなど開発途上国の教育環境向上への貢献を目指す同社にとって、相手国での生活を体験したことのある人材は戦力。しかし、企業単独で育成するには限界もある。産学官連携で学生をサポートできる態勢が取れることを「ありがたい」と受け止める。

 「宮崎にはない、新しい視点を持ってもらうこと」。同プログラムの大きな目的を、宮崎大国際連携センター講師の伊藤健一さんはこう強調し、「海外体験の中で知識を深めるだけでなく、考える力を身に付けて戻ってきてほしい」と期待している。

=第1部おわり=
 

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