みやビズ

2018年4月24日(火)
紙面県内経済

海外展開に挑む2 ターゲット

2016/10/29

健康志向 流れに着目

 ニンニクを高温多湿の環境下で発酵熟成させた加工食品「黒にんにく」。アミノ酸やポリフェノールなどの栄養素が豊富で、国内では多種多様なサプリメントになるなど人気が高まっている。この健康食品が今、海外展開の可能性を秘めた商材として注目を集めている。背景にあるのは世界的な健康志向の高まりだ。

コリン・ウーさん(左)と販売戦略について打ち合わせをするMOMIKIの籾木真一郎社長。ターゲットを明確にした海外販路開拓に取り組む

 ニンニクを高温多湿の環境下で発酵熟成させた加工食品「黒にんにく」。アミノ酸やポリフェノールなどの栄養素が豊富で、国内では多種多様なサプリメントになるなど人気が高まっている。この健康食品が今、海外展開の可能性を秘めた商材として注目を集めている。背景にあるのは世界的な健康志向の高まりだ。

 MOMIKI(宮崎市佐土原町)はこの流れにいち早く着目し、動いた。2011年には台湾に進出。当初は手探りの部分も多かったが、根気強く品質の良さをアピールして上昇気流に乗り、今や米国やシンガポールなど5カ国に輸出する。今月上旬に福岡であった商談会では富裕層の多い中東ドバイの商社が興味を示し、手応えを感じる。

 「真っ黒な見た目から海外のバイヤーは警戒するが、食べると『なぜこんなに甘いんだ』と驚かれる」と、籾木真一郎社長は笑う。しかし、これは海外で黒にんにくの認知度が低い証左、つまりはビジネスチャンスと捉えられる。「先んじて海外に打って出れば、後発商品が入ってきても勝ち目はある」。籾木社長は自信をにじませる。
■    □

 木工用刃物などの研磨業で40年前に創業した同社が、07年から新たな事業の柱として取り組み始めたのが黒にんにく製造だ。そのため、はじめから海外展開のノウハウがあったわけではない。商社に任せきりだったり、言葉の壁を理由に商談後のフォローをしなかったりしたことで注文が途絶えた経験もある。

 こうした失敗を糧に今春、台湾出身のコリン・ウーさん(29)を社員に迎えた。日本語、英語、中国語が堪能なウーさんにマーケティングを学ばせ、海外事業をより盤石にする狙いだ。

 黒にんにくの売上高に占める輸出の割合は現在、2割程度。籾木社長は「健康をキーワードとしてターゲットを明確にする方向性は変えず、足りない部分を補強していく。5年後には5割にまで引き上げたい」と先を見据える。
■    □

 食の多様化や生活水準の向上によって、世界の健康食品市場は拡大傾向。国内マーケティング会社の調査では、14年度の市場規模が前年度より11%も増えて11兆2460億円になったという。特に、サプリメント文化が根付く米国、経済成長が著しい東アジアで需要が伸びている。日本の農水産物は味、安全性とも評価が高く、それは健康食品においても確実に追い風になる。

 同社の着眼点について、ジェトロ宮崎の宮内安成所長は「輸出先の流行に、日本食ブームの背景にあるヘルシーさや高品質を絡めて上手にPRできている」と評価。食品に限らず、何を輸出するかに関しては「日本の価値観に縛られず、まずは現地の目線に立って市場を見渡すこと。そうすれば狙うべき所得層や習慣などが定まり、商品開発の弾みになる」と助言する。

アクセスランキング

ピックアップ