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2020年2月25日(火)
紙面県内経済

マチカワル JR宮崎駅西口再開発【2】「KITEN」成功

2016/09/27

2011年に開業した複合ビル「KITEN」。立地条件の良さを背景に高いテナント入居率を維持している

新駅ビル計画後押し

 宮崎市のJR宮崎駅西口の複合ビル「KITEN」。地上14階建てのビルにはホテルやIT関連企業のオフィス、飲食店のほか、ビル建設の事業主体となった宮崎商工会議所などが入居する。約850人が働き、バスターミナルや飲食、物販店には昼夜問わず約3千人が訪れるビジネス、観光、交通の拠点となっている。


 KITENは2007年に建設を決定。建設、運営は地元企業が出資する特別目的会社(SPC)方式を採用した。船出は順調だったが翌年のリーマンショックで県内経済は急激に悪化。ビル2棟と駐車場1棟の3棟構想はビルと駐車場の2棟となり、一部企業がテナント進出を土壇場でキャンセルするなど、計画は遅れと縮小を余儀なくされた。宮崎商議所の倉掛正志専務理事は「開業前は運営がうまくいくかを危ぶむ声もあった」と振り返る。

 しかし、開業すると大方の予想に反してテナントは順調に入居し、開業5年目となる現在は入居率98・59%の超人気物件となっている。構成は1~2階は飲食や物販などの店舗、3~8階は企業オフィスや会議室、8~14階はJR九州ホテル。会議室利用も多く、15年3月期は3年前倒しで出資企業に配当を行い、来年は入居率100%を達成する。

 倉掛専務理事は「立地条件の良さが人気の最大の理由」と分析する。宮崎空港からJR宮崎空港線を利用すれば約10分、目の前はバスターミナル。「KITENほど空港と近いビジネスビルはほかの地方にはない」と言い切る。仕事、飲食、宿泊が一体となっていることもあり、同ホテルの稼働率も、グループ内でも屈指の高さだという。
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 新駅ビルの建設予定地約4千平方メートルは、同駅西口のバス、タクシーロータリーを挟んでKITENの南側に位置する。付近に高層マンションやビジネスホテルが建ち並ぶ中、築56年の現業事務所4号(通称JRビル)がひっそりとたたずみ、旧国鉄時代の風景が広がる。

 JR九州宮崎総合鉄道事業部の宮野原佳部長は「KITENが開業して駅西口がきれいになる中で、古い自社ビルをなんとかしなければいけないという社内議論があった」と明かす。

 また、JRは中期経営計画(16~18年度)で「総合的なまちづくり企業グループ」を掲げる。いまや不動産事業部門は収益の中核。自社不動産を有効活用して、まちづくりにも積極的に関与し、企業価値を高めることを狙う。新駅ビル建設の決定もこうした方針が背景にある。

 計画では新駅ビルは地上14~16階建て。宮野原部長は「地元に喜んでもらえるような施設にしなければいけない」と強調する。低層階に商業施設、企業オフィス、医療施設、行政サービスなどを入居させる構想で、KITENとの連携も不可欠だという。

 県商工会議所連合会の米良充典会頭は「新駅ビルとKITENが駅前のツインタワーになる。ビジネス、食、交通、観光の拠点機能が高まり、人の流れがもっと活性化するだろう」と期待を込める。

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