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2020年2月24日(月)
紙面県内経済

マチカワル JR宮崎駅西口再開発【1】要請活動

2016/09/26
JR九州、県、宮崎市、宮崎商工会議所が一体となって再開発を進めるJR宮崎駅西口
JR九州、県、宮崎市、宮崎商工会議所が一体となって再開発を進めるJR宮崎駅西口

JR九州、県、宮崎市、宮崎商工会議所が一体となって再開発を進めるJR宮崎駅西口

JR上場に危機感 県、市が“お墨付き”

 「鹿児島の次は大分、そして熊本。長崎、佐賀にも抜かれたら、宮崎は置き去りにされる」。2012年春、JR九州が主要駅の不動産再開発を進める中、県商工会議所連合会の米良充典会頭は厳しい表情を見せた。宮崎市の宮崎駅がJRの再開発計画に上がらない状況に強い危機感を抱いていたからだ。


 JRは11年3月の九州新幹線鹿児島ルート(博多-鹿児島)の全線開通に合わせて鹿児島中央駅を大幅に改装。隣接して飲食店や映画館など約190店舗が入居する大規模商業施設「アミュプラザ鹿児島」をオープンさせた。

 続いて11月には、日豊線の高架化に伴い再開発する大分駅(大分市)の複合商業ビル「JRおおいたシティ」(昨年4月開業)の概要を発表。次いで熊本駅の再開発を決定し、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)についても計画が前進している状況。

 一方、県内の日豊線は一部で高架化が進んだものの、単線で利便性は低いまま。新幹線整備については一向に進んでいない。さらに、JRは11年11月の9月中間期連結決算で、株式上場について「早ければ14年」と表明。株式上場により経営や路線の合理化が進めば宮崎駅の再開発は見送られるかもしれない。「ほかの計画を押しのけてでも、株式上場前に宮崎駅の再開発を決めてもらう」。12年春、米良会頭は県や宮崎市に対して再開発要請への支援を内々に打診した。

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 宮崎駅西口は県がタクシーロータリーや駅前広場周辺を管理し、バスロータリーは市の所有地。県と市の協力がなければ効果的な再開発は不可能となる。それだけに行政の協力がなければ強い姿勢で要請活動ができない事情もあった。

 県、市の“お墨付き”を得た米良会頭は「行政、地元経済界が周辺を一体的に再開発する」ことを前提にJRへの要請に臨んだ。目標は20年の東京五輪開催までの再開発と新駅ビルの開業。大規模な開発が想定されるため、活動は水面下で行われた。

 活動中、米良会頭と意見交換してきた永山英也県総合政策部長(当時県総合政策部次長)は「まちづくりへの思いが詰まっていた」と振り返る。県内の日豊線や日南線などJRのローカル線は採算性が低く、日南線など上場後の合理化対象に含まれる懸念もある。永山部長は「JRに駅前にしっかり投資してもらえば、ローカル線の活性化にもつながるという考えもあった」と明かす。米良会頭はJRの取締役や国土交通省幹部と面談を重ね、繰り返し再開発を要請。感触を得たのは要請を始めてから3年後の15年だった。そして今年5月、JRの中期経営計画(16~18年度)の「南九州開発プロジェクト」で宮崎駅西口4千平方メートルが再開発の対象になった。

 7月18日、宮崎市で開かれたJR宮崎空港線の開通20周年のイベントでJR九州の青柳俊彦社長は新駅ビル開発計画を表明。見守った米良会頭は「辛抱強く要請を続けた結果。これからが大切」と表情を引き締めた。
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 JR九州が19年度に宮崎駅西口の自社所有地に新駅ビルを開業させる計画を表明した。県、市、宮崎商工会議所も一体となり再開発に加わる。県都の陸の玄関はどう変わるのか取材した。

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