みやビズ

2020年2月25日(火)
紙面県内経済

港湾物流―県内外拠点を見る(4)

2012/01/28
■宮崎港(上)
取扱量県内でトップ 定期船減少歯止め課題


「はっこう21」の荷物を運び出すトレーラー。荷の集積が進みここ数年で取扱量は増加した=宮崎港

「はっこう21」の荷物を運び出すトレーラー。荷の集積が進みここ数年で取扱量は増加した=宮崎港

 ある朝の宮崎港。停泊する八興運輸(日向市、三輪純司社長)運航のRORO船「はっこう21」に、長さ5メートルを超える巨大な鉄製の部品を載せたトレーラーが次々と乗り込んだ。県央地区の鉄工所が受注した神戸・ポートアイランドで建設が進む倉庫の建家材約4千トンを2カ月かけ輸送するという。同社の田北賀也専務は「海上輸送の効率性をうまく生かした典型的な例。船を利用することで、地方の企業でも商圏は無限に広がる」と胸を張った。

 現在週3便運航する同社のRORO船は2001年に宮崎港と細島港、泉大津港(大阪府)を結ぶ定期便として就航。RORO船はトラックやトレーラーが船内に自走で乗り込み貨物の積み降ろしを行うため、荷役作業の効率化とともに物流コスト削減につながる点が特徴で、主に本県と鹿児島県の工業製品や焼酎、木材製品などを取り扱う。就航当初、トレーラー換算で平均十数台に満たなかった一航海あたりの取扱量は現在、ほぼ満載の40台にまで増加。荷物は営業担当3人が、口コミや人脈を頼りに全国各地を回り発掘してきた。

 09年からは、泉大津港と千葉中央港(千葉県)を結ぶ大王海運(本社東京都・愛媛県)との連携にもこぎ着け、要望の高かった関東方面への輸送も実現した。営業活動の先頭に立つ田北専務は「10年やってようやく荷がそろってきた」と語る一方で「原油の高騰は止まらない。海運事業だけをみると赤字」と厳しい現状を打ち明ける。

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 宮崎港の取扱貨物量は約717万トン(10年)でほぼ全量が国内移出入の貨物だ。県央地域の生活・経済圏を抱える地理的事情を背景に取扱量こそ県内港湾の中でトップだが、定期航路の数は04年3月~10月までの5航路をピークに、現在は「はっこう21」のほか、宮崎カーフェリー(宮崎市)とトヨフジ海運(愛知県)が運航する計3航路に減少。貨物量も直近ピーク(05年)と比べると約200万トン減少している。

 県港湾課は県内三つの重要港湾について「背後に抱える地域の産業や歴史によって、それぞれに機能がある」と説明。宮崎港は「毎日出航する定期船があり、消費地に近く市民の生活に密着している」と特徴を挙げる。その重役を長年担ってきたのが宮崎カーフェリー(宮崎市、黒木政典社長)だ。宮崎港を経由する貨物の約7割が同フェリーを利用したもので、内容別には肉類や野菜、穀物など農水産品が多くを占める。

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 同社によると、乗船するトラック数は07年のピーク時に年間7万7千台だったものが、09年には6万3千台にまで減少。同社の加々美隆常務取締役営業本部長は、その背景に原油の高騰や08年の高速道路料金の割引開始などが大きく影響していると指摘。「定期航路あってこその港。海上航路の選択肢がさらに少なくなることがあれば企業誘致など経済活動にも大きく影響してくる。また、観光の窓口としての役割も大きい」とし、先を見据えた港の在り方を荷主や船会社、行政、さらには市民が一体となって考えていく必要性を訴える。(金、土曜日掲載)

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