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2019年10月17日(木)
紙面県内経済

「ソラシドエア」ブランド発足5年 髙橋社長インタビュー

2016/07/08

九州で知名度アップ 地震影響回復目指す

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 ソラシドエア(宮崎市)は今月、ブランド発足から5周年を迎えた。この間、新型機材への更新などで財務体質の改善を図り、累積損失の解消や初配当を実現。経営を安定軌道に乗せることに成功した。一方、4月の熊本地震が九州観光を直撃。経営は新たな難局を迎えている。髙橋洋社長に今後の課題や事業展開について聞いた。

 -この5年間を振り返ってほしい。

 新ブランド発足は、2011年の新型機への更新に合わせたものだった。収益が拡大し、新型機による燃料費削減で財務面も健全化した。当初予定していた6機から全12機を更新できたことが大きい。賭けの部分もあったが9期連続の黒字決算につながった。決断が1年でも遅れていたら赤字企業になっていた可能性もある。路線数が増え、利用者数も着実に伸びてブランドイメージは九州で定着した。ただ首都圏や近畿、中部、沖縄といった新たなマーケットではまだ定着していない。

 -ブランド導入の効果は。

 当時の「スカイネットアジア航空」という社名には、運賃は安いが運航品質が安定せず、離着陸が遅れたり、欠航したりする航空会社というイメージがあった。機体更新によるコスト増を補うには、マイナスイメージを払拭(ふっしょく)して収益を上げる必要があった。新ブランドは若い人を中心に利用者の心を捉え、従来のイメージを変えた。

 -ブランド定着へどう取り組んだ。

 キーワードは「笑顔」「親しみやすさ」「地域との連携」。1年目は「ハッピーを九州しよう。」というキャッチフレーズでキャンペーンを始めた。12、13年は自治体と共同で「空恋プロジェクト」、14年は若い女性と子どもを対象とした「ソラ女子」を企画した。空恋は九州5県と沖縄の17自治体と展開し、地域との親密性がより高まった。ソラ女子は女性に優しい航空会社のイメージを打ち出せた。客室乗務員の親しみやすさも大手に負けていない。だが、これだけで5年以上は勝負できない。さらに磨きをかける必要がある。

 -九州外でのブランド戦略は。

 15年12月からは社名をソラシドエアに統一し、コストもエネルギーもかけて首都圏で積極的に営業攻勢に出た。目指すは「飛行機に乗ったときから地方の味がする」というイメージ。しかし、その矢先に熊本地震が発生した。今は首都圏から九州に誘客する役目を担っている。「がんばろう!九州」のメッセージとともに九州を発信していく。

 -熊本地震による観光業の低迷にどう対処するか。

 九州周遊旅行の要となる熊本が被災したことで、本県、長崎、鹿児島の観光は落ち込んでいる。8月は政府の復興策もあり、ある程度の旅行客数は確保できるだろう。ただ、秋の行楽シーズンで落ち込むと低迷が長期化する可能性があり、当社の経営も楽観できない。現行よりさらに安い8千円からのバーゲンチケットを販売することで、できるだけ早いタイミングで需要が回復するよう努力している。

 -今後の課題と事業展開は。

 当面は熊本地震による落ち込みを前年並みに持って行く。機体の定期整備費用の積み増しなど財務戦略の手は打った。次は収益をどう増やすか。航空業界は経営環境の変化や競争が激しい。機体の追加や路線の拡大、変更については日本航空やスカイマークなど、他社の動向を見極めて判断したい。

 たかはし・ひろし 東大法学部卒業後、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。プロジェクトファイナンス部長、人事部長、政投銀取締役常務執行役員などを経て、2011年6月から現職。岐阜県郡上市出身。61歳。

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